割り切った身体、割り切れない心-11
クチュクチュ、どころの濡れ具合じゃない。
陽介が指を動かしている所から、チャプチャプというものすごい水音が響いていた。
「ああっ……ダ、ダメッ、ああ、ん……」
あまりに恥ずかしくて、顔を見られないように陽介の胸に顔を埋めようとするけど、彼はわざとそんなあたしにキスをして、それをさせてくれない。
「陽介っ……、あぁっ、恥ずかしいか……ら……見ないで……」
「遠慮すんな、可愛いから」
意地悪な陽介は、さらにあたしの秘裂の中の指を探るように動かす。
そのうちに、
「はああっ!」
陽介の指が、おそらくあたしの中の一番感じる所を捕らえ、途端にビクンと痙攣したみたいに開いていた脚が跳ねた。
「見ーつけた、くるみの一番イイ所」
「は……、イ、イヤ……」
「さ、いっぱい気持ちよくなって」
陽介はそう言うと、その「イイ所」を円を描くように撫でたり、押したり、擦ったりをしてきた。
「あああっ、ダメェっ! あんっ、いやあああっ!」
その破壊力は筆舌尽くしがたいほどで、陽介の指からまるで電気を放出しているみたいに、気持ちよさがそこから全身を駆け巡った。
ラビアから粘り気のある淫らな音が、静かな部屋に響く。
あまりの快感に、もうどうしていいかわからないあたしは、そこから逃げ出すように身を捩るけど、陽介が覆い被さっていた身体を使ってホールドする。
さらに、乳首への攻めも同時に激しさを増すと、気が狂いそうに泣き叫ぶほどだった。
「ああぁっ……! よ、陽介っ、ダメッ、イッちゃうよ!」
陽介の身体にしがみついたまま、涙声で許しを請うても、それを止める気配はない。
イクのが怖くてやめてとお願いしても、身体の反応は全く逆で、腰をくねらせながらも自ら絶頂を目指し始めている。
「陽介っ、陽介……怖いっ……ああっ……!」
今まで経験したことのない感覚が怖くて、気持ちいいのに涙が出てくる。
――いや、本当に怖かったのは、戻れない扉を開けてしまったからだろうか?