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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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樹里奈を消した-5

「いやー助かった、そっかそういう事だったんだぁー」
重りが降りて一気に軽くなった彼女は、その軽い足取りで学校を出ようとする

「気が晴れて良かったね綾辻さん」
俺もそんな彼女の横顔を見つめ、ほっとする

「うん!態々ゴメンね、付きあわせちゃって・・」
「ううん!丁度俺もあの問題分からなかったしお互い様だよ」

「シュガー・・君」
どうやらその呼び方がお気に入りのようだ、別に良いけど

「・・そういや君、いつものペンはどうしたの?」
「へっ?」

それは彼女が何時も授業で使っている、広大な青空を思い浮かべる様な綺麗な蒼色の
彼女のお気に入りのペンだ

「あ・・あぁーアレか確かに昨日授業で何時ものように使おうとしたら無くなってた
でも良く気づいたね」
「まぁー、何となく・・さ、でどう見つかった?」

俺の問いに黙って首を横に振る

「はぁー、ショックだなぁーアレそんじょそこらのただのペンじゃないのに」
眉を落とし、地面に視線を落とし

「何処で落としたか、思い当たる事はある?」
「・・へ?・・そうだなぁー確か昼休みにクラスの男子と鬼ごっこしてから次の授業には
もぅ・・」

それを耳にした俺は、すかさず良く皆が良く遊び場にしている、今俺らが近くにある庭へ
行きその蒼色のペンを探す

その姿を見て、自分のペンを探してくれると知った彼女はすかさず俺の元に駆け寄り
「いいって別に!もうどっか行っちゃっただろうし・・」
「でも、君にとって大事な物なんだろ?・・だったら」

そう言って彼女を静まらせ、二人で探す事に


それから30分が経過し、両手や腕が汚れただけでソレらしい物は何一つ見つからず
「もうーいいよシュガー、きっと誰かが拾ってそのまま自分の私物にでもしたんだ
だからもう・・」

と彼女は諦めの声を挙げるも、ペンを探すその手は止まらずにいる俺、すると

「あっ・・あったぁ!」
俺の声に反応し振り向く駆け寄る彼女

「はい!これだろ?」
少し汚れた蒼色のペン、試しに頭を押してペンが出て自分の手に試し書きをすると
何とか本来の黒色が俺の手に描かれ、壊れていない様だ・・良かった

ポカーンとしつつもゆっくりと、彼女は俺の差し出すそのペンに手を伸ばし

「あ・・ありがとう」
「どういてまして!」

俺は首を傾げニコッと笑う



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