聖域その2-2
斉藤の意図を察した美香が今度は起き上がりその身体を跨った。
「そうだ・・その前に・・ここで旦那とする時はどれくらい動いているのか・・やってみろよ・・」
促されるまま、肉棒の根元を掴むと自ら割れ目に導き、腰を落とし始めた。
「んっ・・んんんっ・・」
美香の腰が落ちていくにつれ、文字通り肉棒が秘部に飲み込まれていく。
二人の肌が密着すると、肉棒の姿も完全に見えなくなりやがて腰を前後に振り始めた。
最初は感触を確かめるように・・・やがて前後に加えて左右に・・時折腰も上下させながら予測不能の動きを披露していく。
「あっ・・んっ・・んっ・・あっ・・」
「はぁ・・はぁ・・み、美香・・そんなに動いたら・・」
と言う浩二の声を何度も耳にしていた美香にとってはこのベッドで跨る時はこの動きが限界だった。
これ以上激しく動くとせっかくの二人の愛の営みをいたずらに早く終わらせるだけだった。
「くくっ・・まさか旦那はこれですぐに終わっちまうんじゃないだろうな・・?」
「はぁはぁ・・いつもこれ以上動くと・・すぐに・・」
遠慮がちな腰使いと同じ男として情けない浩二への侮蔑を込めて思わず吹き出してしまった。
「ぷっ・・くははっ・・・これじゃあ満足できないわけだ。もっと激しくしていいぜ。俺がそんな情けない事を言ってしまうくらい・・・動いてみろよ」
そう、今は斉藤の上に乗っている。遠慮など必要なかった。
「んっ・・はぁんっ・・あんっ・・あんっ・・んっ・・」
ヌチュ・・ヌチュ・・ニュチュ・・ニュチュ・・
斉藤にだからこそできる腰の動きで自分の欲求を満たそうと一心不乱に振り続けた。
「おっ・・なかなか・・いいぞ」
浩二ならとっくに果てているであろう状況にも斉藤は余裕の表情を浮かべ、
さらに美香の動きに合わせるように下から突き上げてきた。
「あぁぁぁんっ・・いいっ・・これっ・・この激しいのがっ・・欲しかったの・・」
美香は腰を振り乱し、肉棒を絞り上げていく。
「くくっ・・今のセリフ・・旦那に言ったことないんだよな・・」
「あ、ありませんっ・・こんな事・・言えるのは雅彦さまだから・・です・・っ・・」
「今夜・・何も知らない旦那は・・ここで寝るんだよな・・このベッドで抱かれた事も、
こんな淫らな言葉を発する事も知らないまま・・」
常に快感だけでなく浩二の事を言われその度に罪悪感に駆られる美香。
それが快感を増幅させる要因になっている事も薄々感じながら、抗う事もできず美香は絶頂へと近づいていた。
「ほら・・もっとだ・・もっと激しく腰を振るんだ・・」
斉藤はさらに手を伸ばし、激しく動く度に揺れる大きな胸の柔らかな感触を楽しみ、
指先で柔らかさとは無縁の硬く尖った乳首を撫でていた。
「あぁぁぁんっ・・はぁっんっ・・っ・・そんなっ・・にっ・・あんっ・・」
前後左右に動いていたかと思うと今度は円を描くように、腰だけが独立したような今まで斉藤にも見せた事のない淫靡な動きをし、さらに胸や乳首を刺激された身体は
激しい快感に襲われもうそこまで絶頂の波が押し寄せていた。
「はぁっ・・はぁっ・・ほらっ・・自分だけっ・・イクんじゃねぇぞ・・」
斉藤も今までよりも強い肉棒の締め付けや縦横無尽に動く腰使い、そして夫婦の寝室という秘められた場所を侵した興奮からタフな肉棒にもいつもより早い射精が近づいていた。
「はぁはぁ・・ま、雅彦さまぁ・・っんっ・・一緒に・・イキたいっ・・」
快感に酔いしれた美香には浩二との写真はもう目に入らず、今共有している快感を同時に最高の形で迎えたい。その一心で腰を振り乱した。
「ふふっ・・本当に・・ここで・・俺と一緒に・・イキたいんだな・・?」
さっきのバイブで絶頂を迎えるのとは訳が違う。二人がこのベッドで同時に迎える事の意味はとてつもなく大きい。
このベッドでこの先、浩二に抱かれた時、或いは毎晩寝るときに今日の事を思い出してしまうだろう。ここで浩二とは果たせなかった事を、斉藤で果たしてしまった事を。
このままでは本当に戻れなくなってしまう。
僅かに残った理性がなんとか美香を思いとどまらせようと働きかけるも、下からの斉藤の激しい突きにその僅かな理性すらも奪われてしまい。
「いいのっ・・雅彦さまとっ・・はぁんっ・・一緒にイケるならっ・・どこでもっ・・だから・・お願いっ・・んっ・・」
止めどなく溢れる愛液が秘部から押し出される音、ベッドが激しさのあまり軋む音、そして二人の荒い息遣いが寝室内に響きわたる。
「よぅし・・いいだろう・・そこまで言うなら・・」
斉藤はさらに激しさを増し、肉棒を秘部の奥へと突き立てていく。
それを迎え入れるように締め付ける美香。
二人は同じ目標に向かって徐々に息が合っていく。
「あぁぁんっ・・もうっ・・ダメッ・・雅彦さまぁぁぁっ・・・」
「はぁっはぁっ・・いいぞっ・・・俺のを・・たっぷり受けるんだっ・・」
「ダメッ・・ダメッ・・こんなのっ・・凄いっ・・イクッ・・イッちゃうっ・・・
雅彦さまっ・・きてっ・・きてっ・・美香の・・中にっ・・んんんんんっぁぁぁっぁっ」
「ほらっ・・はぁっ・・はぁっ・・イクッぜ・・ううっ・・あぁっ・・」
斉藤が下から一気に突き上げた。と、同時に美香の身体はのけ反りそのまま硬直してしまった。
熱い液体を全て出し切ろうと何度か腰を突き上げてくる下からの振動で力が抜けきった美香の身体は斉藤の胸へと寄りかかる。
「はぁ・・はぁ・・」
絶頂を迎えると同時に、斉藤の熱いものが秘部の奥へと注ぎ込まれた瞬間。
宙に浮いたような感覚すら覚えた。
それは決して浩二では味わえない極上の快感だった。
と、同時に決して味わってはいけない極上の快感でもあった。