ダビング-7
どうやら公園に入った二人を見失ったようだ。
「何やってるんだよ」
文句を言いつつもはらはらしながら見ていると、さっきのアベックの男にまた怒鳴られていた。ベンチの上で金髪の男が女を抱いている姿がちらっと映った。女が学校の制服を着ていたので沼田は腰を浮かせた。
「なに、高校生か! こういうのもっとちゃんと映せよ、このばか」
激しく揺れる緑がかった画面に目が回りそうになった。彼らはすぐに見えなくなり揺れが収まる。
「あぁもう、くそぉ」
がっかりした沼田は、せわしなく動かしていた手をゆるめ、あぐらを組み直した。延々と映る公園の木々を目をこらして見つめていると、ぼーっと白い人影が見えたので緊張した。とうとう田倉と奈津子の姿が映った。
「いたよ、いたよ、いましたよ。さっきは危なかったんだぜ、おい、おい」
ペニスをしごきながらうれしそうな声をあげた。射精はもっとより良いところで、と思っていたので、車のシーンで危うく発射しそうになったのだ。危なかったとは、そのことを言っている。
「やっぱり、ここでヤるのかよ……」
沼田の声はうわずっていた。
奈津子は背伸びをして田倉の首に両手を巻き付けている。田倉の両手は奈津子の尻をつかんでいた。
「あー、ねっとり唇合わせやがって。田倉の野郎、あんなにケツこね回してるじゃねえか、ちくしょう。それにしてもケツ、いい……」
歩いている奈津子の後ろ姿を見ながらペニスをしごいているうち、ここで出してもいいと思ったほどだ。それほど、くねる尻は魅惑的だった。その尻をつかんだまま体をすくいあげるようにして引き寄せた。
「かーっ、スカートのうえからチ○ボをマ○コにこすりつけてるのかい……ん? あいつ、なんかしゃべってやがる」
ピタリと押し当てていた唇を少し離して田倉が話しかけている。奈津子が小さく首を振ると、田倉はすぐに唇を吸い取ってしまった。沼田は息を詰めて二人の抱擁を見つめている。
「……」
また二言三言話したあと、頬ずりをしながらスカートの中に手を入れていった。田倉はうなじに唇を押しつけたまま左右を警戒している。いやがるように首を振っていた奈津子だが、潜り込んだ手が動き始めると田倉にしがみついていった。田倉の手がスカートを腰までまくりあげてしまう。ストッキングを下ろして、尻の方からパンティの中に手を入れていった。顔を上に向けた奈津子は喘いでいるように見える。背や腰を撫でていた手もパンティの中に差し込んでいった。
「ケツの方から手を入れやがった」
沼田はあんぐりと口を開く。
「しかし、闇夜でもよく見えるもんだな。最新技術は大したもんだ。ノーベル賞くらいあげたっていいんじゃねえか」
奈津子のパンティが滑稽なくらい伸びきっていた。
「……それにしても白い」
田倉に責められながら揺れてる奈津子の肌のことをいっているのだ。
「……ん? 田倉の野郎、どこいじくってるんだよ」
尻側からパンティの中に入れていた手の片方を抜いて、今度は前の方から入れ直した。
「今度は前かよ。まさか同時に……さっきは、これからいじくるぞってことを奈津子に耳打ちしていたのか。だから恥ずかしそうにしてたんだな。かーっ、ふざけやがって。そんなの誰も見てないところでやれっつんだ……」
悶えている奈津子を見つめ声を震わせながら興奮していると、田倉は不意に両手を抜いた。屈み込んで、まくりあげたスカートの中に前から顔を入れていった。木を背にした奈津子はうつむいていた。両脚を開くが、ストッキングが邪魔をして大きくは開かない。それでも田倉は下あごを突っ込んでいった。
「なめてんのか……」
沼田も田倉に倣い、舌を出して顔を振り回していた。
周囲を気にしながら今度は木を抱かせた。奈津子は振り向いて首を振るが、田倉は強引だった。またスカートを腰までまくり、パンティをおろしていった。白い下半身がボーッと映った。警戒した田倉が奈津子を促して向こう側へ移動したので見えなくなった。ばれたと思ったが、そうではないらしい。
「勘がいいやつだな」
でもカメラも一緒に移動していた。
「やるなぁ石橋ぃ」