幼女仮面-6
なんだかペニスの感触が変った。目を凝らすとカナエが全裸で僕の腰の上に跨っている。
まさか……9才の女の子が僕のペニスを受け入れて……自分で挿入して……している。
誰がこんなことを教えたんだろう? 父親か? 親戚の叔父か?
だけど気持ちが良い。こんなことしちゃいけないんだけど、気持ちがよくてカナエと一つになってる感じだ。
カナエが声を出している。一人前の女の声のようだ。気持ち良さそうによがっている。
これは何かの間違いだ。それとも僕は夢をみているのかもしれない。
「そうだよ。うん、えん、ああん、ゆめだよ。あん、あん、ああん、これはゆめ」
出る。いけない。このままじゃ出てしまう。中に出してしまう。
「いいんだよ。だして。だして。はやく。はやく。ああ、もうっ」
ドックン……ドックン……トックン……トックン……ああ、出ている。僕のザーメンが。
「赤ちゃんができたら、おにいさんとケッコンしよう。いいよね」
そんなことできるはずがない。もし赤ちゃんができたら僕は犯罪者になる。
寝ている間にされたなんて言っても誰も信じない。
「もうだめだよ。おにいさんはにげられないよ。
ねっ、だまっててあげるから。ぜったいわたしとしょうらいケッコンするんだよ。
しんぱいしないで、赤ちゃんはできないよ。まだセイリがないから」
目が覚めたとき、すっかり夜になっていた。僕はきちんと服を着ていた。
そして絨毯の上に寝ていたが、どこから出したのか毛布がかかっていた。
するとキッチンの方からいい匂いがして来た。
カレーの匂いだ。
「おにいさん、おきたの? カレーライスたべる?」
カナエが頭にバンダナをして、エプロンをして出て来た。
そんなものいつの間に用意していたんだろう?
9才のカナエがカレーライスを作るなんて……自分で米のある場所を見つけて炊き、冷蔵庫から食材を見つけてカレーを作る。
そんなこと簡単にできることじゃない。
僕はお腹がすいていたので盛り付けられたカレーライスをご馳走になった。
「おいしい! カナエちゃん。上手だね」
カナエはそんな僕を見て、ゆっくり言い聞かせるように言った。
「おにいさん、わたしがマッサージしたらねむってしまったんだよ。
いい? なんか夢をみたかもしれないけど、それはゆめだから」
「ゆめ……なのかい?」
「そう……ゆめだよ」
僕とカナエの間には何もなかったと言ってるのだと思った。
「でもおねがいがあるんだ。きいてくれる?」
「なに? なんでも言ってくれよ」
「こんや、ここにとめて」
「泊める?」
「じつわ、しんせきの家にいるってうそだったの。
おかあさんがはたらいていて2ばんめのおとうさんと家にすんでいるの」
「……」
「そのおとうさんがわたしにいろいろなことをして、おかあさんもそれをしっていてだまってるの」
「……」
「よそのまちから来たのはほんとうだけど、わたしはがっこうにいかされないで家にいるの。がっこうにいけばおかねがかかるからだって」
「ひどいね」
「よるねているときでも、おとうさんはわたしのからだをもとめてくるんだ。おかあさんはねたふりをしてたすけてくれない」
「ひどいね」
「わたし、はじめいやだったけど。
だんだんそうされることがきもちよくなって、それがますますくやしくて」
「そうだったのかい」
「そうしたらよそのおじさんにおなじことするとお金をくれたりワンピースをかってくれたりするから……ウリをしたの」
「それはいやでなかった?」
「おとうさんにされるよりはいやじゃないけど、それにおかねをくれたり、ものをかってくれたりするから」
「なんにんとそんなことしたの?」
「3にんくらい。あいてをえらびまちがえるととんでもないめにあうから。
よくよくえらんでちゅういぶかくしてるの」
「それできれいな服を着てるんだね」
「こういうフクをきるとおじさんはよろこぶから。わたしもうれしいし。
だけど家にはきてかえらない。コインロッカーにしまっているの 」
「……」
「そういうわけだから、ここにとめてほしいの」
「おかあさんたちはしんぱいしない?」
「するはずないじゃない。イエデしたとおもうかもしれないけど、それでもけいさつにとどけないとおもうよ」
「そうだね。じゃあ、きょうはとまっていきな」
僕は仕方ないと思って泊めることにした。
「それじゃあ、おふろをわかしてたからおにいさん入って」
えっ? と僕は思った。
この子は9才なのにどうして家庭の主婦みたいに家事ができるのだろう?
もしかして家事労働一切を小さい頃から押し付けられていたのでは?
僕はそんなことを考えながら湯船に入った。
すると浴室のドアごしにカナエが声をかけて来る。
「おにいさん、せなかながしてあげるね」
僕が返事をする前に、ドアが開いてTシャツと短パン姿のカナエが現れた。
僕はカナエがいつ着替えを持ってきたのか不思議に思った。
カナエは僕を座らせると背中を洗い始めた。
「もうあんな無茶しないでくれよ、カナエちゃん」
「なんのこと?」
「夢の話」
「ああ、あれね。だからあれはなかったの」
「これからどうする積りなんだい?」
「うん、おにいさんしだいだよ」
「どういうこと?」
「わたしおにいさんがすき。だからゆめをほんとうにしたい」
「無理だよ。カナエちゃんを助けることが僕にはできない。
僕はまだ学生だし、カナエちゃんは小さすぎる。ごめんね」
バシッと僕は背中を叩かれた。
そしてカナエは出て行った。泊まる約束だった筈なのに。