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LADY GUN
【推理 推理小説】

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極嬢狩り-2

 番組は終了した。
 「綾美ちゃ〜ん、お疲れ様!今日も完璧だったね。」
 「ありがとうございます。」
ディレクターが話し掛けてきた。
 「今日のストッキングは良かったね。殆ど素肌みたいで。」
 「喜んで貰えました??」
 「うん、いいよ〜!視聴者も大喜びだよ、きっと。明日は黒系の薄めのやつで頼むよ。黒ストは人気あるんだよね。」
 「分かりました。じゃあスカートは短めのにします。」
 「宜しくね!」
綾美はスタジオを出てトイレへ入る。鏡を見て髪型を直す。
 「いい具合にブラも透けてたわね。」
白いブラウスに透ける黒のブラジャーは意図的だ。綾美は視聴者が密かに望んでいるものをいつもさりげなく提供している。たまに意図的にパンチラもする。報道陣番組というお堅い番組、少しぐらいの色気は必要だし、番組人気の為ならそのぐらいするのが女性アナウンサーの義務だとさえ思っている。
 「じゃ、ご飯食べてもう少し頑張りますか。」
クールビューティと称されている綾美。他のアナウンサーのように浮ついてはいない。夕食に当たる食事をとり、凛とした姿勢で歩き報道部にある自分のデスクに座る。時間は深夜1時だ。電気は昼間の半分ほどしかつけられていない。社員もパラパラいる程度。しかしもうすっかり慣れたし怖くもない。ニュースジャポンの後に放送されるスポーツ番組がモニターから流れる中、黙々と仕事をこなす。
 時間は深夜3時。ようやく退社の時間が来た。
 「じゃあお疲れ様でした。」
 「お疲れさま!気をつけてね。」
 「はい。」
私服もエレガンスだ。普段からイメージを壊さぬようリクルートスーツを着用している。契約のタクシーに乗り自宅へ帰る。ただいまも何も言わない。家族は既に就寝しているからだ。部屋に戻り部屋着に着替えてからシャワーを浴び部屋に戻る。
 寝るのはいつも朝5時頃だ。夕方6時からの出勤に備えとにかく寝る。12時まで寝てショッピングに行きたい時はそれから出勤時間までの間に済ますのが今のところのライフスタイルだ。最近ようやく慣れてきた。
 昼間に起きて来ると既に母親が食事を用意してある。
 「おはよー。いただきます。」
食事をとる綾美。
 「体は大丈夫?」
 「うん。もう慣れたから平気よ。」
 「普通の時間に仕事させてもらえればいいのにねぇ。あんな時間に女性が1人で帰ってくるなんて心配よ。」
 「大丈夫だよ。会社が契約してるタクシーだし。どこも寄らないし。」
 「でもほら、誘拐されたら…」
 「大丈夫よ。私、婦警じゃないし。」
 「でもねぇ…」
心配する母親をよそに黙々と食べる綾美。
 「お父さん忙しいの?」
 「朝は早いけど帰りは普通通りかな?休みもとれてるしね。」
 「へ〜。意外と余裕だね。ご馳走様でした。」
食事を終えると部屋に戻り出勤の準備をする。家を出て用事や買い物をしてそのまま仕事に向かう。今日は新しい仕事用のスーツを買う予定だ。
 「行って来ます。」
まるで休養たっぷりの姿で出かける綾美。深夜の仕事の疲れなど微塵も感じさせない。歩いていると写メやサインを頼まれる事はあるが、それらの全てにさり気なく答える綾美。特に嫌でもない。世間の評判はすこぶる高かった。


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