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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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垣間見える過去-4

何か別の話題は、と……。


必死で探した結果、あたしは彼の目の前に置いてある煙草が目に入ったので、


「久留米さんはずっとマルボロ吸ってたんですか?」


と、果てしなくどうでもいい質問をした。


くだらなさすぎる話題だけど、友達云々の話題はなんとなく気まずくなりそうだから、とりあえずこれで話を広げよう。


なのに、なぜか彼はあたしがそう言った途端、一瞬ギクッとした顔になった。


え? こんな無難な話題もアウトなの?


たかが煙草の銘柄の話という、なんてことのない話題なのに、なんでこの人は“しまった”みたいな顔して固まるわけ?


あたしが訝しい顔をしていると、彼は少し目を泳がせてから、


「まあ、前まではセブンスターだったんだけど、健康のためちょっとタール下げてみたんだ」


とだけ答えて、慌てたように吸ったばかりの煙草をもみ消していた。





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