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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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垣間見える過去-5

……変なの。セブンスターは確かタールが14ミリグラムで、マルボロは12ミリグラム。
健康のためなら、普通はもっとタール下げた煙草吸うのに。


――なんか、怪しい。


あたしは、わざとらしく唐揚げをつまみ始めた久留米さんの顔をジィッと見つめていた。


この人は何かを隠してる。


女のカンってやつがピンと働いたけれど、あたしにはそれを確かめるほど彼に踏み込んでいく勇気はなく、黙って見ているしかできなかった。


アイツも色々あったんだよ、と言っていた副島主幹の言葉を思い出す。


この人の色々あった出来事ってなんなんだろう。


うっとおしいくらい彼を凝視していたあたしに向かって久留米さんは、


「ほら、そんなどうでもいい話よりも、愚痴るんでしょ?」


と、あたしの目の前に置かれていた巨峰サワーを指差していた。






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