夏だ!海だ!美少女だ!-4
どうやら5人の男達にナンパを迫られていた。
「ねぇ、君可愛ねっ 一緒にご飯食べようよ!おごるからさ ねっ」
「イヤですっ 離して下さい!」
春と玲奈は一目散に走り出す
「おたっくんよ!可鈴を頼んだよ!いくべ!会長!」
「ええ!」
「うおぉ!また可愛いのが二人も来たよ」
「あなた方、私の友達に手を出すのはやめなさい!」
「んだ!その辺にしとけよな、オメーら」
「んっ?おまえっ、春か?」
一人の男の顔が春を見て青ざめている
「ほーっ あなしの名前をしってんか?感心するべ」
「おい!どうした?」
「春、百瀬春ってあの閃光の女番長だよ!ヤバくね?やめようぜ」
すると男の後ろからもう一人の大柄の男が来た。
「おめーら、閃光のなんたらにビビってんなよ!所詮は女だ!よしそいつは俺が相手になってやるぜ!うらぁ!」
春を軽く突き飛ばした
ドスンッ
「きやああぁぁぁぁ」
「春!大丈夫?」
「いっいてててっ 大丈夫だ」
俺は目の前で女の子が突き飛ばされたのみて怒りがこみ上げてきた。そして助けに向かおうとしたら可鈴が止めた
「・・・・ダメっ 匠くんじゃ敵わない」
「でもっ!」
さらに大柄の男は玲奈に視線をやる
「うほっ こっちの方が可愛いぜ!マジで俺の女にしてやりてぇな!こんな田舎に美少女がいたとはなっ来てよかったぜ」
すると大柄の男は玲奈の両手を掴み上半身をイヤらしい目で撫で回している。
「・・きやぁ!離して!イヤッ」
「そのふくよかな胸をなめ回してやるよ!」
その時だった大柄の男の顔に拳が入り倒れこんだ
ドスンッッッッッッ
「ってーな!誰がやったぁ!」
「・・・えっ?うそ!」
「マジでか!」
玲奈と春は驚愕している。
無理もない大柄の男を拳で殴ったのは紛れもない俺だからだ。
その隙をついて可鈴が理名を助け出す。
「こんのぉ、ガキがぁ!」
大柄の男は俺に向かって拳を振りかざす
「危ない!匠ー!やめて!」
『おたっーくん!やめろー!』
だが俺はその拳を軽くよける
「おまえっ その動きに構えは!」
そうだ。
ガキの頃に俺は女の子の家で空手を教えてもらっていたことを思い出した。
だから自然に空手の型が身体に染み着いていた。
「あの型は竜宮流派の柔術。匠、やっぱりあなたが私の約束の・・・」
そしてカウンターの拳を大柄の男の顔面で寸止めをする
「彼女は俺の大切な人だ!これ以上すれば次は寸止めをしないでやる!失せろ!」
大柄の男と男達は急いでその場を立ち去ったのを確認
すると俺は力が抜けて座り込んだ。
玲奈は急いで俺の元へ駆け寄る
「バカぁ!バガバカバカバカバガ!心配したじゃない!バカァーーー!」
「ごめんっ 見てられなくて助けた」
「うん、うん!ありがとう、ありがとう匠!大好きっ!」
大粒の涙を流して俺に抱きつく。
春や可鈴と理名がひと安心した姿で見つめてたたずんでいた。
その後 男達は逃げていたが途中で厳つい男達に止められる
「おいっ 兄さん方。家のお嬢とその連れをよくも可愛がってくれたなぁぁ」
「きっちりと落とし前をつけてもらうからのう!」
「覚悟しろや!若造!やっちまえ!お前らぁ」
そう、厳つい男達は竜宮組の連中だった。
玲奈の母さんが心配して数人の組員を後から送り込ませていた。
「しかし、あの時空手を教えた坊主にお嬢が出会えるとはなっ よかったですなお嬢・・・・」
こうしてなんとかひと悶着は終えたが帰りに春と可鈴や理名の様子がおかしかった。
その理由がオタクの俺が拳で助けたのがかっこよかったらしく一目惚れをしたらしい
それが分かったのは帰りの電車での出来事だった。