オタクと任侠と彼女の秘密-1
どうする。
素直にオタクですと言うか嘘をついて別の趣味を言うか
別の趣味を言うっていったって何を言えばいい?
そもそも萌えアニメ以外の現代流行的なものも知らないし
やばいぞ、考えろ!俺!
悩む俺をよそに生徒会長は言う
「こほん。母さん。匠くんはオタクが趣味だそうです。ねっ、匠くん」
あっけらかんになる生徒会長のお母さん
「・・・・・はぁ?おたく?匠くん、おたくとは何ですか?」
俺は今までの人生でここまでの冷や汗をかくのは初めてだ
「あのっオタクとは、その、えっと・・・」
「母さん、オタクとはアニメやゲーム等で楽しむことを言います。」
生徒会長はオタクの意味を知っていた。
俺はおわったと思った。
さらば俺の萌えアニメよ さらばギャルゲーよ
俺は今までのオタク人生を脳裏に浮かべながら涙ぐむ
そして腹をくくり土下座しようとした時、生徒会長のお母さんから爆弾発言がとんだ。
「あーっ、玲奈が小学生の時に遊んだ男の子と同じことね。なるほど。そうですか。」
「そーなんです!お母さん!俺はオタクです!申し訳ありませんっ!」
俺は畳に頭の額を着けて深々と土下座して謝った。
「ちょっと匠くん。止めなさい!別に怒ってないですよ」
「本当ですか!よかったぁ」
「ふふふっ 本当に面白いですね匠くんは」
「玲奈のそんな良い笑顔を見たのは久しぶりです。いいでしょう。お二人の仲を承認しましょう。ただし条件があります」
「ありがとうございます。その条件とは」
「まずは二人の付き合いは友達関係からはじめる。次に玲奈が竜宮組の娘である事は学園内では秘密にする。最後に女の子を泣かすような事はしない。この3つを守れるなら承認しましょう。守れますか?匠くん?」
すると生徒会長は俺の向かい正面に正座して真剣なまなざしでいる
「匠くん。私は今のあなたが覚えていなくても覚えています。あの約束を。だから友達関係からでいいので付き合って下さい。お願いします」
今の俺は彼女が言う約束を思い出せないがその言葉が妙に頭の中を駆け巡る。だから今は思い出せないくても俺の返事は固く決まっていた
「わかりました!お母さんの約束を守りますっ。改めて宜しくお願いします。生徒会長」
「玲奈と呼んでください」
「れっ玲奈これから宜しくね」
「ありがとう!嬉しい!匠くんっ」
玲奈は飛び付いてきた時に彼女の柔らかい唇が重なった。
それを見た玲奈のお母さんは
「あらあらっお赤飯を炊かないと」
「気が早いわよ!母さんっ」
すると襖の隙間から覗き見していた厳つい男たちが歓喜をあげて喜んで部屋にはいってきた
「いやったー!おめでとうございますっ お嬢!」
「おいっ、坊主!お嬢を宜しく頼むぜ!」
「野郎ども!坊主を入れて祝杯だぁ!」
「うぉー!」
こうして玲奈と付き合うことを承認してくれた玲奈のお母さんと温かく歓迎してくれた竜宮組の皆
なんだかこれからの学園生活が明るくなったように思えた