蜜月1-8
愛液を吸い出しつつ、花びらの内部を満遍なくなめていく。視線を下方に向けるとペニスの先端から透明の体液が糸を引くのが見えた。思い切り舌をのばし複雑な膣壁の構造を確認していく。鼻から息を吸い込むと、濃厚な女性器の――彼女特有の――においが鼻孔を刺激する。微妙なにおいも残らず嗅ぎ取りたい。彼女の性器のにおいは、淫らな気分を醸し出す極上のフェロモンであった。
田倉は体を反転させ彼女の腰を抱いて腹の上に乗せ、シックスナインの形になった。当初は恥じらってできなかったが手ほどきの甲斐があり、彼女はすぐにペニスを頬張ってきた。
本当にフェラチオが上手になった。それを彼女に伝えて褒め称える。まろやかな唇の感触、優しくゆったりとした舌使い、たっぷりの唾液、彼女ほど愛のあるフェラチオをする女性はいない、と田倉は密かに思っている。顔をはさむ柔らかいふとももを撫でさすりながら田倉は彼女との充実した性行為に悦びを噛みしめていた。クリトリスを口中に強く吸い込みねぶり回すと、彼女はフェラチオどころではなくなった。
「いやぁ」
切羽詰まったような声と同時に彼女の体が痙攣した。性器をしゃぶっていた口の中にぴゅっと液体が飛沫した。彼女が達しても田倉は性器から口を離さなかった。
緊張していた彼女の体から力が抜ける。垂れた愛液をぬぐうため、舌の腹を肛門に押し当てゾロリとなめ上げた。「あッ」と声をあげ、いやがるような仕草で彼女の手が伸びてくる。田倉はその手を優しく払いのけ陰唇を広げつつ、ついでのように肛門も指先で押し広げた。駐車場内で抱いたときわずかな時間ではあったが初めて指先を差し込んだ部分。そこに鼻孔を押し当てるようにして再び女性器を味わった。
やがて顔を上げ唇のぬめりを手の甲でふき、蹂躙した性器に触れながら体をひとつにするための体勢を整えていった。二本の指は難なく潜り込んだ。乳首を吸いながら指を操る。彼女の腰の下に腕を差し入れて閉じようとする両足を押さえつつ、指先を根本まで差し込んだ。彼女の手が田倉の腕をつかむが、無視してドリルのように指を回転させた。彼女の腰が浮き上がるので支えている腕に力を入れる。くちょくちょと音をたてて抜き差しすると彼女はか細い声をあげた。
田倉はもう限界だった。わきの下から両手を差し入れて両脚の間に腰を割り込ませた。彼女は田倉を受け入れるため、ひざを曲げた。佐伯のときもこうするのだろうか? 身勝手な嫉妬心に苛まれた。
黒髪をかき上げると彼女の顔はまるで少女のようだ。小降りの頭を両手で抱き込んだ。この状況においても彼女は羞恥心を捨てきれない。そのせいで視線は揺れている。潤んだ瞳は涙を貯めているようにも見える。また田倉の目を見ては揺れた。目の下を赤くした彼女の顔を見つめながら、かちかちになったペニスで彼女の内股を突く。花弁に滑らせると唇が開いた。先端が柔らかい部分に触れた。ゆっくりと腰を進めると先端にぬめりがまとわりついてくる。十センチも離れていない田倉の顔に彼女は息をはきかけないよう気遣っている。顔を背けたいのだが、それを許さなかった。髪に十指を潜らせ思いきりかきあげ、もう一度額を露出させる。幼げな彼女の表情にひどく興奮する。ペニスが潜り込むと半開きにした口から熱い息が漏れた。そのまま一息に腰を密着させた。
「はうッ」
唾液に濡れた唇が大きく開き、激しい息を顔に浴びた。結合の瞬間の彼女の表情は見逃さない。腰を跳ねあげると彼女はのけぞった。だが頭皮に指をめり込ませるようにして許さなかった。唇が触れあうほど接近した状態でペニスを出没させる。もはや彼女は荒い息を田倉の顔に吐くしかない。眉間にしわをよせる田倉に、今にも泣きそうな表情で視線をさまよわせた。そんな表情とは相反し、膣はねっとりと田倉を包み込んでいた。