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LADY GUN
【推理 推理小説】

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昼の静香と夜の静香-3

 車は若菜の家に着いた。するとまるで待ちわびていたかのように母、麗子が玄関から出てきた。真っ先に車から飛び出たのは若菜ではなく静香だった。そんな静香を見て静香の言いたい事は全て理解した麗子。
 「ご無沙汰してます、静香ちゃん!」
そんな麗子を見て麗子が自分の気持ちを理解している事を悟る静香。
 「ご、ご無沙汰してます。」
後から降りてきた若菜がびっくりしたような顔で聞いてきた。
 「あれ〜!?2人とも知り合いなの〜!?」
初対面だと思い、静香を母に紹介するのが楽しみで仕方なかった若菜は少しがっかりした。
 「お父さんのお葬式の時に、ね?」
目で合図を送る。
 「は、はい…」
神妙な顔つきの静香が気になるが、礼儀正しい静香のこと、緊張してるだけだと思った。
 「いつも送って貰ってごめんね?もし時間があればお線香だけでもあげてってくれないかな?お父さん喜ぶから。」
 「は、はい…。」
 「角田さんもどうぞ〜?」
 「あ、はい…。すみません。」
 「え?角田さんも知ってるの??」
 「警察の方はたいてい顔ぐらいは知ってるわよ。若菜とは違って物覚えがいいからね。」
 「何よ〜!私が頭悪いみたいじゃん!まぁ、良くはないけど…。」
 「フフフ、さぁどうぞ?」
 「お邪魔します…。」
実は何度も跨いだ事のある敷居。若菜には秘密だが、麗子と静香は何度も何度も顔を合わせた事のある仲だった。
 玄関を入り左の和室に仏壇がある。まず静香は麗子の後ろについて仏壇の前へ行く。
 「お父さん、静香ちゃんが来てくれましたよ。」
いつも静香が訪れると麗子はそう言ってニコリと笑う。
 「ありがとうございます。」
静香は麗子にお辞儀をして仏壇の前に正座をする。
 「若菜、お客様が来たんだから色々することあるでしょう?」
 「はーい。」
若菜は和室を出て行った。麗子が若菜をこの場から離した意味も静香には伝わっていた。
 正芳の遺影を見つめているとどんどん涙が溢れて来る静香。その姿を若菜には見られたくない静香の気持ちは理解している。そして線香をあげ、長い間手を合わせている静香を優しく見守る麗子。もてなしの準備を終えた若菜の足音が近づくと、その手を解き涙を拭き取る。
 「じゃあこっちに、ね?」
 「はい。」
静香と俊介は廊下を挟んで反対側のリビングへと招かれる。


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