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強姦主義者 『T』
【レイプ 官能小説】

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2つのモンスター-6

 捜査が進む中、気になる証言が集まった。薬物使用で逮捕された容疑者の取調をしていた後藤から報告があった。
 「麻薬使用で逮捕者された女性の殆どがレイプ被害の過去を持ってます。」
 「えっ?本当…?」
麻薬事件とレイプ事件の関係を疑っていた静香には朗報とも言えた。
 「レイプは泣き寝入りしていた女性が殆どですね。どうやら写真や動画を撮られて脅されていたようです。」
 「ま、そのぐらいはするでしょうね。」
 「その中に有名野球選手の妻の名前があり、保釈金を積んで釈放されているんですが、彼女の証言から当時小学生らしき少年がレイプ集団にいて、その子にもレイプされたとの証言がありました。」
 「し、小学生!?」
耳を疑った。とても信じられなかった。
 「間違いないの?」
 「ええ。彼女には同じぐらいの息子がいて、その息子よりも幼かったと言う事なんで。顔は覆面をしていて分からなかったとの事ですが、メンバーの中に高田と喜多らしき者はいたとの事です。」
 「そう…。」
小学生が犯罪に関わっていたと知りショックだった。
 (その少年は今頃、そうね、高校生か大学生ぐらいか…。犯罪から足を洗ってればいいけど…。)
心配になった。
 色々調べている内に今、中央署で経理をしている渡辺麻耶が未解決レイプ事件の捜査本部が置かれていた城南署に当時勤務していた事を知った。ランチを誘い麻耶に話を聞く事にした。
 「渡辺さんて、あの未解決レイプ事件の起こってた時、城南署にいたんですよね?」
ドキッとした麻耶。心臓が壊れそうだった。
 「ええ。(マズいわ…)」
動揺は顕著に現れた。静香が脈ありと感じた事は目の輝きで分かった。下手に喋るとボロが出る、そう感じた麻耶はいきなり涙を流した。
 「思い出したくない…。私は…私は…レイプされたうちの1人だから…」
 「えっ!?」
そこまでは知らなかった。
 「ご、ごめんなさい…!私、知らなかっから…。」
必要最低限に涙を流した麻耶。ゆっくりと顔を上げた。
 「あれがトラウマで私、男性恐怖症になってしまったの。何とか生活する分には男性と喋れるようになったけど、でも2人きりになると未だにダメなの。私、結婚どころかお付き合いも二度とできないかも…」
 「す、すみませんでした…。もうそれ以上はいいです。もし勇気が出て犯人に償いをさせたいと思えたら私に連絡下さいね?」
 「うん。分かった…。」
その場を凌いだマヤヤ。
 (ヤベー、私が白状したら何から何まで即解決されちゃうじゃん!たけちゃんに迷惑かけらんないし、バレたら私は犯罪者じゃん!無理無理。黙秘っっ!)
麻耶は署に戻り化粧を直してから何事もなかったかのように仕事に戻った。


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