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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈ホールドアップ!!〉-2

『アレか?優愛が拐われたから、景子と二人で助けに来たのか?勘が鋭いのは褒めてやるぜ』


まさか自転車で此処まで来るとは思えないし、であるならば、春奈と景子は二手に分かれ、同時に制圧しようとしているのだと、専務は直ぐに理解した。


『……オイ』

「!!!」


専務の軽い目配せで、一人の部下が春奈に掴み掛かった……と、春奈は射撃姿勢を崩す事なく身体を回転させ、その部下と相対した……。


パァンッ!!と爆竹でも鳴らしたような破裂音が響くと、その部下は驚いて顔を両手で覆うようにして俯いた。
そして春奈は部下の曲がった膝を横から蹴り、更に下がった部下の顔面に膝蹴りを打ち込んだ。


『ぐがあぁッ!!』

『!!!!』


春奈は冷静だった……突っ込んでくる部下に怯む事もなく、頭髪を擦るように銃弾を放ち、逆に怯んだ部下に強烈な打撃を打ち込んだのだ。


『うあッ!!あ…ああぁ!!!』


床に倒れた部下からすれば、目の前で発砲され、しかも膝と顔面に激痛が走っているのだから、撃たれたと勘違いしても不思議はない。
両手に付着した夥しい鼻からの流血も、その恐怖を倍加させ、それは、その一部始終を見ていた専務達も同じだった。

もう余裕など消え失せていた。

これが銭森姉妹最弱と言われる春奈なのか?

専務はゆっくりと身を屈め、デスクの中から拳銃を取り出すと、それを春奈へと向けた。


『へへへ…へへ……お、俺だって拳銃くらい持ってんだぜ!!』


刑事ドラマよろしく、片手で拳銃を持ち、威圧的な怒声を張り上げた。


「……汚い拳銃ね?いくらリボルバーだからって、メンテナンスフリーじゃないって事くらい知ってるわよね?」


冷静な春奈の台詞は、専務の威勢を殺ぎ、負け犬の遠吠えの如く滑稽なものとした。

何者にも怯えもしない春奈が、今の専務には麻里子に見えていた。
初めて、専務の額に冷や汗が滲み始めていた。



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