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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈ホールドアップ!!〉-3

「潮風に当たりっぱなしの拳銃が、塩噛みしないとでも?下手すれば暴発するかもね?」

『……う…うぅ……』


専務の顔から血の気が退いていた。
そういえば貨物船の外装も、定期的に洗浄し、油を注さなければ塩の結晶が固まり、稼働部が塩で固着する“塩噛み”と呼ばれる現象が起こる。
複雑な機械は無論、構造が単純であろうが、メンテナンスを怠っていれば、いざというとき役に立たなくなるのは当然であり、拳銃を威嚇でしか用いてない専務に、その考えは無かった。


『ち、ちくしょー!!』


狼狽える専務の姿に焦りを募らせた二人の部下が、挟み撃ちの格好で襲い掛かった。
しかし、春奈は掴み掛かる腕を逆に掴みあげて部下を床に転がし、もう一人を背負い投げのように投げ飛ばし、床に転がる部下を叩き潰した。


「もう警官ごっこは終わりよ?全員逮捕します!!」


考えてみれば、あの日、美津紀と文乃にも歯が立たなかったのだ。
今更、苦し紛れに掴み掛かる事が期待どおりの効果を生むはずはなく、やはりと言うか、当然と言うか、無様を晒すのは犯罪者達の方であった……。





――――――――――――


「……始まったわね」


事務所の中の破裂音が、微かに景子の鼓膜を打った。

気がつけば満天の星空で、欠けた三日月も顔を覗かせている。
穏やかな潮風が髪を揺らし、滲み出した汗を退かせていく。
景子はローダーの陰に身を隠し、もう目前の貨物船を見上げていた。

漆黒の海面に浮かぶ船は、山のように巨大で、運び込まれる獲物を待ち焦がれている、邪悪な怪物のよう。
その“怪物”の上に人影が現れた……たった一つの人影は、甲板上を歩き、タラップを降り始めた……ライトに照らされたソレは、今や敵として認識している八代であった。


「八代おぉぉッ!!」


港に降り立った瞬間、景子はローダーの陰から駆け出し、両手で拳銃を保持しながら八代と相対した。


『……喜多川さんじゃないか?一体、どうしたんだ?』


煌々と照らしつける作業灯は逆光となり、八代の姿は輪郭のみが光って見えた。その表情はよく分からないが、微かに瞳だけが輝きを放っていた。

落ち着き払った態度はいつも通り……だが、この貨物船をバックにした八代は、まるで八代自体が貨物船と同化して、巨大化していくような錯覚を起こさせた……景子は射撃姿勢を取り、完全な戦闘体勢で如何なる事態にも対応出来るよう備えた。



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