投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

貴方を、護りたい・・
【純愛 恋愛小説】

貴方を、護りたい・・の最初へ 貴方を、護りたい・・ 1 貴方を、護りたい・・ 3 貴方を、護りたい・・の最後へ

彼の名はしゅう・・-2

彼との出会いは特に劇的にて衝動的な物ではなく
 いたってごく普通なものであった・・

「と言う訳で各場所の各分担についての説明は以上です、何か不明な点がありましたら
今のうちに言って下さいね」
教室・トイレ・体育館など書かれそこにモップ係りや窓拭き係りなど書かれた黒板が
彼女の後ろにあった

「先生っ!」
「おっ、なんだ蓮見」
「回転ホウキを2本用意して下さい」
「へっ?だってこないだ新しいのに取り替えたばかりじゃ」
「1本はクラスの人が壊しもう1本はこないだ新しいのを取り寄せた時1本足りなかったので・・」
「お、あぁーそっか2本ってこないだ言ってたもんナ、スマンスマン」
「なるべく早く用意していて下さいね、でないと大掃除中とはいえそういった準備は必要でしょうから・・」
「おー、分かった分かった、用意しとく」

「・・ふぅ」
頼りなさそうに急ぐ先生の背中を見つめ
「流石学級委員!段取りが良い、テキパキと・・」
「春華・・」

「そんな、てきぱきって・・私はただ大掃除とかしっかりやるべきだって思ってるだけで
何かあって予定が遅れたりしたら駄目じゃない、違う?」
「まぁー、そうよねホント樹里奈はいいよね頼りになる」
「・・そういって小学生の頃から私に金魚の糞みたいについていったもんね」
「やーねぇ、糞ってこれ読んでる人がもし饅頭でも片手に食べてたらどうすんのよ」
「?何の話」
「いや、こっちの話あははは」
「大体私は小学生の頃よりは成長したよん」
「まぁーね、でも今でも少しね、語尾によんってぷぷ」
「何、そんなにおかしい?アンタ笑いのツボ少しおかしいんじゃ」

「おーい、宇都宮ちょっとー」
「えっ?あっ向こうの部屋のゴミ全部ため終えたかな?はーーい、じゃ樹里奈また後で」
「うん」
そして春華は樹里奈を後にした

「どっこらせいっ!」
倉庫から先生に頼まれた掃除用具の入ったダンボールを運ぶ
「いやぁ、独り言とは言えどっこらせいっとか言っちまったぜ」
女子の可細い腕が悲鳴を挙げるかの如くやや振るえ気味で
「なんのこれしき・・、いちいち根をあげていては駄目よ、そんな」
そう自分に言い聞かせるも目的地に前進してる感じは無く、その上
「おっとっと・・」
ダンボールが重くバランスが崩れ仕舞には
「う・・うわぁっ!」
案の定、転びそうになり尻が地面に叩きつけられそうになったその時

「・・・えっ?」
体の揺れが収まり、なにより背中に手の触感がし
「大丈夫?」
顔を上げるとそこに男子生徒が居て
「あ、あぁ・・有難う助かったよ」

「へぇー、新作アイス今日登場なんだ・・イョョウゥシィッ!」
地元のアイスクリーム店のチラシを手に友を誘おうとする春華
「あっ、樹里奈めっけ、おーーい・・おんやぁ?」
春華の目にある光景が映し出され

「何?手伝い?」
「えっ、まぁーうん、先生に頼まれて」
「へぇー、偉いね、良かったら手伝おうか?」
「へっ?いいよ!そんな悪い、貴方今日もなんか色々と動き回ってたじゃない
今日の大掃除の最中、別に得に気にしていた訳じゃないがこの男子が一回り大きく大掃除に精を尽くしていたところを見かけていて・・
「そうさ、アレだけ動き回ったんだからいまさらダンボールのひとつやふたつ・・
ついでだよついで・・」
「・・キミ」

そういってダンボール運びを彼が引き受けようとするも
「あっ、待ってでもやっぱ悪いよそんな」
「・・じゃあこうしよう!」

そういうと彼は片方だけを手に持ち、二人で二人三脚し

「ねぇ」

「うん?」

「もしかして私の事、可弱いとか思ってる?」

「えっ?どうして」

「だって・・」

「人を助けるのに女子も男子もないよ、俺はただ君が困っていた感じだったから手を貸しただけだよ」

嘘偽り無く、優しい顔で彼女と目を合わせ言う

「・・・・」


 「それじゃ、失礼しまーす」
ダンボールを先生の居る部屋の入り口付近に置き、体が一気に軽くなり

「ほんと有難う助かったわ」

「どういてまして、でも無理しちゃ駄目だよ、あのままじゃ下手したら腰打っちゃうからさ・・、今度やる時は誰かに手を貸してもらった方がいいよ」

「う・・・うん、そうだね」

自分の身を案じてくれる彼に少し心打たれる

「おーーい、しゅう!」

別の男子生徒が彼の元に走り寄ってきて

「今日はサンキューな、ワザワザ俺たちの担当区まで掃除手伝ってくれて」
「いいよ、こっちもやることやって時間余してたからサ」
「佐藤君さっきは有難う、助かったわ」
いつの間にか女子も駆け寄り彼にお礼を言う

「・・・・」
その光景をボー然と見る樹里奈


「おーい、樹里奈」

「・・・・」

「おーーい、樹里奈ってばっ!」

「・・あ、ゴメン何」

「もー何じゃないよ、どったの?さっきからボケーとしてアンタらしくもない」

「う、うん・・・ちょっとね」

顔を赤く染め一緒に帰宅し

「・・ひょっとして彼が気になるの?」

「アイッ?!そ、そんな事は」

「アイッ、と来たか、しゅうはもてるから女子にも男子にも」

「彼、しゅう・・君っていうの?」

「えぇ、彼は・・」

そう言うと春華は彼、佐藤しゅうについて語りだした


貴方を、護りたい・・の最初へ 貴方を、護りたい・・ 1 貴方を、護りたい・・ 3 貴方を、護りたい・・の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前