終わらない凌辱-1
女が意識を取り戻したとき、時計の針はすでに昼の1時をまわっていた。普段の日常であれば昼食を済ませ、リビングでゆっくりしている時間帯である。しかし女は、夫婦の寝室にあるキングサイズのベッドでゆっくりとまぶたを開けた。先ほどまで目に覆われていたタオルはいつの間にか外されていた。
(ひっ・・)
カーテンが引かれているため薄暗い部屋の中ではあるが、視線の先にはベッドに腰かけた男の背中が見えた。それはスラッとした体型の夫とはまるで違い、太く筋骨隆々とした男の背中だった。二の腕も太く、両腕に刺青のようなものが見える。その恐ろしげな後ろ姿に、女は思わず悲鳴をあげそうになった。
そのとき、女がふと視線を下げると、そこにピンク色の物体が放置されていることに気がついた。よく見るとそれは破れた避妊具であった。本来、そこに溜まっているべきはずの精液が見当たらず、自分の体内に存在していることを思い出した瞬間、背筋に悪寒が走った。
(に・・妊娠・・)
その恐ろしい二文字が頭をよぎる。自分にとって初めてとなる膣内射精を愛する夫にさせてあげられなかった後悔、そして見ず知らずの男の精子が今も自分の卵子を探してさまよっているという恐怖。女はベッドの上でブルブルと身体を震わせていた。
「おう、気がついたか。良かったぞ、お前の身体・・」
そう言いながらふり向いたとき、女は男の顔をはっきりと見た。坊主頭に近い短髪で、あごひげを生やし、温和な感じの夫とは正反対の顔つきをしている。その全体の風貌は、暴力団の関係者といわれても納得してしまうであろう。
男はその手にデジタルカメラを持っていた。そこに何が写っているか、すぐに察しがついた。わずかだが自分が気を失っている間に、写真を撮られたに違いない。女は自分が益々不利な立場に置かれつつあることを感じていた。
「逃げたり、助けを求めたりしたら・・。どうなるか分かるな? この写真、ばら撒くだけじゃねぇぞ。お前を殺すかもな・・」
男は声に凄みをきかせて女に言い放った。女はシーツで身体を隠し、怯えた様子で震えている。どうやら女に抵抗する気はなさそうだった。
(それにしても、いい女だ・・)
長い黒髪に上品な顔立ち。ピアノでも習っていそうな白く細長い指。その左手薬指には指輪があり、人妻の証である。身長も高く、細身で巨乳。そこらのグラビアアイドルと比べても、何の見劣りもない。そして何より、類稀な名器の持ち主。これは実際に味わった者にしか分からない。男は目の前におかれた人妻を見て、思わず生唾をゴクッと飲み込んだ。
男がギシッと音を立てて、その獲物に近づいていく。その股間にはすでに巨根がいきりたっており、女は思わず悲鳴をあげて後ずさりする。
「おら、逃げるんじゃねぇ。ここに座れ」
男は強引に女の腕を掴んでその場に正座で座らせると、寄り添うようにあぐらをかいて隣に座った。それからは、男のなすがままだった。女の柔らかな指で肉棒を上下にしごかせながら、舌を濃厚に絡ませ続けた。男は左手で女の腰を抱き、右手は女の豊乳を揉みしだいている。ギュッと指をめり込ませると、それは男の掌からはみ出るほどのボリュームだった。
「いいぞ、その調子だ。悪いようにはしねぇからよ・・。おい、今度はタマも握ってくれや」
「あぁっ、いや・・。許して・・」
女は嫌がるそぶりを見せながらも、命令に抵抗できなかった。男の機嫌を損ねて自分が怪我をするよりも、今はこうして命令に従うしかなかった。
そんな行為が10分ほど続いたころ、名残惜しそうに唇を離した男が女の後頭部をつかみ、グッと下に押さえ始めた。男の腕力は強く、抵抗などできるはずもない。それが何を意味するかすぐに察した女は、思わず狼狽した。徐々に亀頭の先端と自分の唇が近づいていく。女はチラッと顔をあげ、男の顔を見た。その表情はとても口での愛撫を許してくれそうな雰囲気ではなかった。女は髪をかきあげると、諦めたように顔を下にさげていく。
(あぁ・・、あなた・・。許して・・)
愛する夫にさえ、数えるほどしかしていない。夫はあまり口での奉仕を好む人ではなかった。
(うう・・。お・・大きいっ・・。うっ、うぐうっ!)
柔らかな唇が亀頭を包み込んだとき、女はその圧倒的な大きさにあらためて驚いていた。そして次に感じたことは、舌が感じるその味だった。
(あっ・・、これ・・。これが精液なの? そんな・・、いやぁっ・・)
先ほど男が自分の膣内に放出した精液の味が口の中に広がっていく。初めて体験するその味に、女は戸惑いを隠せなかった。思わず口を離したくて男のほうを見上げるが、それを離してしまえば男の機嫌を損ねることは目に見えており、女は仕方なく口の奥まで含んでいく。
「旦那がいるわりに、ずいぶんと下手くそだな。唇も舌も喉奥も全くだめだ・・。まあ、お前みたいな美人だと、興奮はするけどな・・」
男はそう言いながら、まるで自分の女を愛撫するかのように、長い黒髪を優しく撫でてやった。