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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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不穏-8

 千鳥足で帰り道とは反対方向に向かう石橋などほったらかしにして、沼田はさっさと駅に向かった。もはや、自分が誘った飲み会に誰も参加しなかったせいで、気分を害していたことなどすっかり忘れていた。石橋におごってやったのは冒険だったが、自分の感に従ったのは正解だった。もちろん石橋のように浴びるほどの酒は自然と控えていた。
「あのバカ、あんなバクダン抱えていやがった」
 ほろ酔い気分がとても心地いい。
「しかし、ちょいとハシゴが多かったな。あんなところ行かねえで、ずっと安酒飲ませりゃあ良かったか。あのバカに金を使ったのはもったいなかったな」
 財布の中身を見ながら、しかし顔は笑っていた。
「ま、少々高い買い物だったが、よしとしておくか」
 一人住まいのマンションに帰ると、沼田は次々に服を脱いでブリーフ一枚になった。ぶよぶよの体をパンパンと叩きながら浴室へ向かった。
 操作パネルのボタンを押し、勢いよく吹き出る湯を見ながら「脱ぐ前に貯めりゃあよかった」――と言ってから「ククク……」と声に出して笑った。今は何をしても気分はいい。
「佐伯はてめえの直属じゃねえか。しかし部下の女房に手を出すかな。節操のねえ野郎だぜ。恐ろしい男だな田倉は」
 体を洗い終え、鼻歌を口ずさみながら浴槽に浸かる沼田の赤い唇はめくれ反っていた。もちろん笑っている顔だ。ゆでだこのようになった沼田は軽い足取りで部屋に戻った。
 ドンとベッドの上に大の字なり、うすい桃色のパジャマから、うす茶色の一物を引き出した。それはすでに勃起していた。先端がくの字に折れ曲がった異様な一物である。
 石橋と女らがどんちゃん騒ぎをしている隙にくすねた写真を財布から取り出した。それを見ながらペニスを握って、ゆっくりとしごき始める。
「なかなかいい女だな。佐伯みたいな貧弱なヤツにどうしてこんな嫁さんがもらえるんだよ。大学を出て証券会社でOLをして、一年ほどでヤツと結婚したと、あのバカが言ってたな。あの青びょうたんが、この奥さんとヤリまくったってわけか。ふん。高校だか中学だかの娘が一人いるってか。てことは一回は確実に中出ししたってことだぜ。クソが」
 写真を片手に、ディスカウントショップで購入したローションのフタを慣れた手つきで開け、器用に手のひらに盛り、そこに塗りたくった。
「娘は母親に似てるのかな」
 風船のような腹をへこませたり膨らませたりしてクチョクチョと音をたてている。太ってからはローションはいつも塗る。なぜなら、手のひらがぶよぶよしていて、それを塗って励むと実に具合がいい。自ら神の手と呼んでいる。
「あの間抜け野郎、頭にきていろいろ調べたらしい。DVDに焼いてこんなものまで印刷しやがって、変態野郎が。一部始終ペラペラしゃべりやがって、本当にバカなヤツだ。ま、しかし、そのバカのお陰で俺にもツキが回ってきたかな」
 目はずっと写真の奈津子を見つめている。
「いやあ、年食ってる割には結構かわいい顔してるぞ。こんな人妻が田倉とズボズボやりまくってるのか。もっとも佐伯もつまらん男だしな。チンボも小さそうだしよ。田倉のデカチンボに狂ったってわけだろう。見たことねえけど、だぶんでかいぜ。それにしてもいい顔してるな。あのバカ、目に黒線なんか入れやがって、見えねえじゃねえか。奈津子だっけ、ちゃんと顔を見てみたい……おっとっと」――と、慌ててパジャマをまくり上げた。へその周りにアリが群がっているような毛を生やした腹の上に、久々に勢いのある白濁を噴射させた。
「あー、よく出た、あー、よく出た、あー……」
 いつもならこのあと、言いようのない惨めな気分になるのだが今は違った。写真を見ながら気怠い余韻を楽しんでいた。
「あのバカにダビングさせるしかねえな」


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