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私の愛したAn-organ
【悲恋 恋愛小説】

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私の愛したAn-organ-4

寂しそうな笑みを浮かべる・・
 するとソコに

「憑依、ありえるかもよ」
「えっ?」
振り返るとソコにスーツを着た30代くらいの女性が居た・・


 「臓器移植?」
地元の喫茶店でここと女性が話をする
 「えぇ、アノ交通事故で・・、本来なら雅人クンだけじゃなく弟の暁クンも死んでいた
でも、担当医師が『お兄さんの臓器があれば助かるかもしれない』、と言って既に亡くなった彼の臓器を暁クンの体内に移植して」
 
 「雅人が暁を救った・・」

 「・・そぅ、なるわね」
 お互い少し口を閉じ、注文したコーヒーがテーブルに出される

 「一篠先生・・」
 ふと彼女の名刺に目をやる、ソコに心理カウンセラーという肩書きが
 「私は、雅人クンの担当医から様子を見に行って欲しいと頼まれてね」
 「暁が助かった理由は分かりました、でもだからなんだって言うんです?」
 「雅人は、彼は・・もぅ帰ってこない、彼はもうこの世には、居ない・・んですから」
 コーヒーを手に取ることなく、ただカップを見つめる
 「ここちゃん・・」

 重い空気が漂う中、彼女は言う
「雅人クンは・・生きてるわ」
「ハァ?・・」
突然の先生の言葉に驚く
「何を・・、言ってるんです?雅人は、確かに」
「えぇ、彼は確かに天に召された生身の彼はもぅこの世には居ない」
 「だったらぁっ!」
 思わずテーブルを叩き

 「・・落ち着いて。」
 「あ・・すみません」

先生はカップを口にし一呼吸いれると説明に入る
「彼は確かに死んだ、でも彼は生きてるのあの子の中で」
「・・あの子って?」
質問には答えずここを見つめ、そして
「まさか・・」
ここはこないだの練習試合の事を思い返す・・。
「詳しい事実はまだ分からないけどおそらく雅人クンの想いが弟の暁クンに臓器として
宿った、私はそぅ考えてるわ。」

 「暁・・」
 彼を思い浮かべ動揺する

 それから先生は普段アノ病院の執務室に居る事を教えここと別れ・・

 「雅人・・」
 自室で満月を見つめる


 翌日、夕方
 「なんなんだよっ!しつこいぞ!」
 いつもの帰宅道で同行するここに怒鳴る暁
 「な、何よ、ただいつものように一緒に下校してるダケじゃない」
 「何処が、今日1日中俺に付きまとってただろ、今朝わざわざうちにきて一緒に学校に
行こうって言ったり!」
 「いいじゃない、隣同士なんだから」
 「けど、朝はいっつも女友達といってるだろ、部活にだってついてくるし」
 「それは、練習の様子を見てるだけよ、普段からそぅでしょ?」
 「・・授業中も変な視線を感じた、それも1日中」

 「気のせいよ、居眠り先生にばれるかもで神経質になってたんじゃ」
 「・・じゃあ、休み時間俺の後をついてたのは?」
 「!」
 ギクリとするここ、その表情を見逃さなかった暁は詰め寄る
 「やっぱりな、なんなんだよ、俺になんか用があったのか?」
 「・・それは。」
 「そりゃ、こないだの試合は皆からしたら不思議かもしれない、でも俺全然大丈夫って
言ったよな?」

 「そりゃー、そうだけど・・」
 「・・お前、変ダゾ・・ストーカーみたいな真似して」
 「何よっストーカーってっ、アンタの方がよっぽど変でしょっ!」
 「なっ!」

 それから二人はこれ以上口を出す事無く、ここは小走りで暁の元を去って行った。


 病院、一篠先生の執務室

 「あらそぅなの・・」
 椅子を回転させここの方へ向く
 「私も悪いとは思ったケド、でも!雅人にもう1度会えるんじゃないかと思うと」
 「それでここ三、四日・・彼をずっと見張って居たわけね、またその練習試合のようにならないかって・・」
 「・・はぃ」
 二人は黙り、病院のアナウンスが流れ

 「先生っ!彼に会う方法は無いんですか?」
 「ここちゃん・・」
 「雅人は今、彼の体の中で生きてるんでしょ?だったらぁ」
 「・・・・」
 「先生っ!」
 少し考え込み、そしてその重い口を開く
 「・・前に言ったよね?まだその現象について解明されていないって」
 
 「でもぉ!」
 「御免なさい、変に期待膨らませちゃって・・」
 「・・・」
 ここは、怒りと失望を抱き席を立ち
 「ここちゃん!」
 「今日はお忙しい中わざわざありがとうございましたっ!」
 ドアを乱暴に閉じ病院を後にする
 一人、暗い表情を浮かべ、窓からツカツカと歩き小さくなっていくここを見つめる

 翌朝教室でまたも暁を見つめる・・だが今度は期待してのことではなく
 楽しそうに笑う暁、ここは遅い足取りで教室を後にする
 そんな彼女をふと見つめる暁
 「ここ・・」

 放課後、玄関で一人で居るここを次々と楽しそうな仲間連れの生徒たちが彼女を横切っていき、ソコに。
 「おーい、ここぉー」
 「暁?」
 相変らず元気そうに彼女もとへ寄り
 
 帰宅道、二人は今度は普通に軽い足取りで家へ向かい
 「ごめんね、こないだわぁ、つきまとったりして、嫌な気持ちだったでしょ?」
 「そりゃー、まぁな・・訳も話してくれねぇし」
 「それはぁー、ゴメン今は言えない・・」
 「・・・・そっかぁー。」
 「・・・ゴメン」
 「いいよ、そんな俺たちその友達ジャン、幼馴染で」
 「暁」
 「なぁ、それより今度の休み空いてる?」
 「えっ?」


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