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私の愛したAn-organ
【悲恋 恋愛小説】

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私の愛したAn-organ-1

私の大好きな彼は死んでしまった・・
でも彼は生きている・・ある幼馴染の心臓の中で・・・・


「でさっ、そこに隣のオジサンが出てきてさぁー」
「うっそぉ、ここマジウケるんすけどぉーっ」
ごく有り触れた朝の教室の風景、ここ達は何時に無く他愛も無い話で盛り上がっていた
「そぅいやここ、裁縫道具持って来た?」
「へっ?裁縫道具?」
「そぅだよぉー、今日の家庭科で使うって昨日先生が言ってたジャン」
「あはは、そうだっけー」

と、ここが自分のミスをちゃかしていると、ソコに・・
 バンッ!
 「いったぁー」
 誰かに頭を叩かれ、振り向くとそこに
 「暁」
 暁と呼ばれる男子がここを呆れたような顔で見つめ、手にはここの必要となる彼女の裁縫箱を持っている。
それを目にしたここは少し眉を立て
「ちょっとぉー、なーんでアンタが私の裁縫箱持ってんのよっ!」
私は彼に文句を言うと

「なんでって、決まってんだろ、わざわざ持って来てやったんだヨ」
と、ため息まじりに申す
ここはバツ悪そぅに、彼の持つ裁縫箱を取り上げる
そして、そんな二人のやり取りを見た友だちが間を割って言う
「いいわね、アンタら仲が良くて・・」
「えっ?」
その言葉にとっさに反応する二人
「べ、別にそんなんじゃねーよっ!」
「そぉーよ、誰がこんな奴!」

あたふたと否定する二人だが・・
「でも、家は隣同士なんでしょ?」
「そっ、そーだけど別に私達は・・」
「ただの幼馴染だよ、小学生の頃から、親同士が友人だった事もあって」


 放課後、ここはそんな暁の事は忘れ映画館へ・・

 「遅っそいなぁーー」
ここは、腕時計を見つつある人と待ち合わせをしていた
 「お待たせー!」
 と、そこに一人の青年が彼女の元へ駆け寄って来た
「んもぉー、おーそーいーっ!」
「ごめんごめん、ちょっと授業長引いちゃって」
へらへらと笑う彼、雅人を呆れた顔で見る
だが・・
「それじゃ、行きましょう」

上映前の映画の広告映像が流れる中、ここと雅人は人が少ない事もあってなんなく席を確保し、腰を下ろして居た。

「あはは、アイツ(暁)がそんな事を」
「んもぅー、いきなりバコッ!・・よ、レディーに対して」
「はは、アイツは小さい時からそぅだ大雑把というか、なんというか・・」
「もぅー、確かに裁縫箱届けてくれたのは、ありがたかったけどー」
「アイツなりに君の事を色々と想ってるんだろうね」
「想ってないモンっ!、本人はあの後
『おばさんが届けてやってって言うから』
『家が隣同士だから・・』って・・。」

 「素直じゃないなーアイツ」
 そぅ言い終えるとここは笑みを浮かべ彼に肩を付け
「私には、貴方がいるモン・・、関係ないわ。」
「ここ・・」
雅人も顔を赤くしつつ彼女に微笑み
 
 そして、広告がようやく終わり本編が流れ、二人は映画を楽しむ・・


 ガゴン!

「ナイスシュート!」
映画鑑賞を終えた二人は近くのゲームコーナーでバスケのボールをゴールにいれるゲームを楽しんでいた。
「やっぱ、上手ねバスケ、流石大将!」
ここから受け取ったタオルで汗を拭く雅人
「ありがとう、でも俺なんかまだまだサ、スピードじゃ暁の方が上だ」
実は暁もバスケをやっていて、兄弟揃って同じバスケ部に所属していて
「いやいや、雅人の方が上手いって、テクニックなんてもぅ中々」

「ここ・・」
彼女の言葉に嬉しさを感じ
「・・なら、暁はスピードで僕をカバーし」
「雅人はテクニックで暁をサポート。」
お互い意気投合し、ゲームコーナーを後にする。

 それから二人は人気の無い夜道を歩く
 「明日の試合、絶対勝ってよ!」
明日の土曜にはバスケの試合があり、その試合には当然、暁・雅人も出る

「十時からだっけ?」
「うん、学校の体育館に」
「オッケー、じゃ私サンドイッチ作って先に学校で待ってるから」
「えっ?あぁ、そういや君、明日会議があるんだっけね、委員会の」
「うん、だから朝早く作って会議も十時前には終わるから体育館で」
「分かった、じゃー精一杯試合で体動かさないとな!」
「なぁーによぉー、サンドイッチ目当てに試合に出る訳ぇー?」
「あはは、その通り!」
「うんもぅーっ」
 和やかな風景・・

 ふと、雅人が足を止め
 「どぅしたの?」
 「・・・・・」
 どこか改まったように静まり近くの公園を見つめる
 「・・なぁここ。」
 「・・・」
 永遠とも言える様な刻が流れ、その口を開く。

 「ここ、ありがとな」
 「えっ?」
 「いつも、僕の側に居てくれて・・」
 「雅人・・」
 「僕、君に出会えてホントに良かった。」
 「・・」
 「少々慌しいトコはあるけれど、でもいつも元気で周囲を明るくして」
 「・・そんな、私は」

 「ほんと、ありがとう・・ここ。」
 「そんなぁ、私こそ、どぅしたのよ急に・・」
 人気の無い夜道、そこに雅人とここしか存在しない
 「僕は、君に幸せになって欲しい
 どんな時も・・
 どんな事があっても・・
 明るく、笑って居て欲しい・・。
 「雅・・人。」
 
 「好きだよ・・ここ。」

 「!」
 
 そして雅人はゆっくり、そして静かに彼女の元へ近づき

 愛としくもやさしい口付けを交わした・・


 雅人・・
 
 私も、私も貴方に出会えて本当に・・

 ここは、幸せであった・・この幸せが永遠に続くものだと・・

 その後に起きる残酷な運命など知らずに・・

 その夜の空は満開の星空であった・・

 


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