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かくれんぼ
【その他 官能小説】

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かくれんぼ-3

 亮子はソーセージをそっと口に含んでみた。親指ほどの大きさである。
(これくらいだったのだろう……)
 あの時、たしかに入った。突き破るまでの威力はなかったが。……

 ウインナで突起を突く。
「ああ……いい……」
走り抜ける快感。秘唇を疑似ペニスでなぞっていく。指のほうが微妙な刺激をつくれるのだが、『疼いた』時はこれがいい。聡史のおちんちんが触れているのだ。汗だくで股間を合わせた記憶が頭を支配してくる。わけもわからずに目覚めた性本能に翻弄されたあの日。

 ウインナを差してみる。挿入感は希薄だ。だが、これがいい。膣口辺りをもどかしく触れていく。夫の物は貫くように抉ってくるけれど、『疼いた』時はこのほうがいい。かくれんぼの昂奮が甦って蒸し暑い押入れの秘かな行為が脳裏を駆け巡る。
(ああ……あの時は何も知らないのに……)
図らずも状況が刺激となって深く埋もれていた女の芽が一輪、早咲きした。……その時の縋り所のない快感が残っていてときおり火を灯す。

 くちゅくちゅとウインナを出し入れする。
「ああ、気持ちいい……」
燃える。体が燃えて、快感の炎が舐めるように広がっていく。陶酔していく。……

 聡史の顔は浮かばない。顔は見えなかった。彼を思い出して昂ぶっているのではなかった。暗闇に潜んだ『かくれんぼ』。その空間が異様な昂ぶりをぬるぬると絞り出していくのだ。

 敏感な突起に指先を当てる。
「ヒッ……」
コリコリに硬くなって膨らんだここにも押し当たっていた。あの頃はまだ、小さな小さな粒だっただろう。

 割れ目には夥しい蜜液。指で掬えるほどの量である。もう一気に昇っていける。目を閉じると聡史の体重がのしかかってくる感覚に襲われる。
 幼いセックス。自覚のないセックス。だからこそ彷徨い、行き先の見えない快感に翻弄されたのだろう。
 ソーセージを抜き差ししながら突っ張って挟みつける。破裂しそうな陰核を押したとたん、意識が遠のいていった。
(いっちゃう……)
暗い押入れが白く輝いた。身ぶるいして締め付けた拍子にソーセージが抜けた。
(ああ……気持ちいい……)
十五年前のあの日……。

(あれは、初体験だった……)
偶発的で、不完全だったけれど、大人の窓をほんの少し開けて覗いた紛れもない初体験だった。その世界は何も見えなかったけれど。……だからこそ、記憶が沁みついているのかもしれない。
 夫を愛している。幸せだ。でも、『秘密の疼き』の時は、思い出にかくれんぼをする。 


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