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かくれんぼ
【その他 官能小説】

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かくれんぼ-2

 翌日はみんなで富士山麓にある牧場に遊びに行くことになっていた。チビたちは大はしゃぎだった。全員でとはいっても、祖母は歩くのが大変なので亮子の母親が留守番をする話になった。
 ふと聡史を見ると目が合った。何も打ち合わせをしたわけではないのに通じ合った気がして動悸が高鳴った。

「あたし、お祖母ちゃんと家にいるよ。車、酔っちゃうし」
乗物に弱いのは本当である。
「薬飲めば大丈夫でしょう。せっかくなんだから」
「ぼくも残るよ。宿題もあるから」
聡史が亮子の顔を見ながら真剣な口調で言った。
「あらあら、ずいぶん優等生ね」
「ほんとに留守番するの?」
「うん……。前に行ったことあるし……」
聡史とまた目が合った。視線が揺れ動いた。
「まあ、一人より二人でいてくれたほうが安心だ。頼むか。そんなに遅くならないしな」
伯父の一言で決まった。
 聡史とは押入れを出てから一言も口を利いていない。それなのにずっとそばにいて話をしていた感じがしていた。


 得体の知れない誘惑が忍び寄っていた。あの不思議な世界への誘いが待っている……。それは『男と女』の世界。無知なのに心のどこかで妖しく蠢くものがあった。きっと聡史も同じ気持ちなのだ。……

 その夜、寝床の中で性器に触った。下着の上からではあるが、指を当てたのは初めてのことである。
 押してみた。聡史のおちんちんみたいに。……少し腫れているような、膨らみが柔らかい。自分のものなのに初めてその感触を知った。
 一度だけで手を抜いた。

 翌朝、みんなが出かけてしばらくの間、亮子と聡史は居間でテレビを観ていた。音声が流れていながら家の中は静寂感に満ちている気がした。
(誰もいない……)
祖母は裏の離れにいて一人で母屋に出てくることはない。
 聡史の横顔を見た。汗が光っていた。

「かくれんぼする?」
聡史が頷き、二人とも立ち上がった。
 鬼のいないかくれんぼ。……いや、二人以外のすべてが鬼である。二人で隠れるかくれんぼ……。


 亮子はソファに座りながら久しぶりの『疼き』をいとおしむようにじっとしていた。蜜が満ちて下着に沁みていくのか感じられた。ソコに触れなくても昂奮は続いていき、耐えられなくなってくる。
 亮子はキッチンに立ち、冷蔵庫からウインナソーセージを取り出すと器に入れ、お湯を注いだ。数分で温まる。レンジでやると爆ぜてしまうことがある。
 ソーセージを人肌ほどに冷まし、押入れの上段にスペースを作って上がると横になった。襖を閉めて暗くすると『かくれんぼ』が始まった。

 あの日、亮子と聡史はふたたび薄暗い中で重なった。亮子は初めから脚を開き、聡史を股間に受け入れて挟み込んだ。二人とも言葉はない。
「ああ……」
硬い『彼』が当たって声が洩れた。昨日よりはっきりとした快感が熱を伴って生まれた。
 聡史が押しつけてくる。徐々に動きが速くなる。忙しない息が生臭い。
(気持ちいい……気持ちいい……)
体が痺れたようになってきた。

「くう、くう……」
聡史の苦しそうな声。亮子も合わせるように声を絞り出す。
(聡史君も気持ちいいんだ……)
 
「パンツ、脱ごうか……」
性交を考えたのではない。擦りつけて気持ちいいのだから直接触れたらもっといい。とっさに思ったのだった。
 スカートはそのままで下着だけ外した。聡史も半ズボンごと脱いで、元のように密着した。
「ああ!」
それは本当に気持ちよかった。おちんちんが指で押すように当たるのがわかる。
「くう、くう……」
しがみつく聡史を抱きしめる亮子。
「お姉ちゃん……」
、快感が渦のように体を巡っている。
(どうなっちゃうんだろう……)
 聡史が腰を揺すった時、
「あ……」
異変を感じた。
(挟まった……)
挿入、結合の意識はない。差さっている感覚はあった。聡史の体が震え始めたのはその直後である。……

「うう!」
 大人のような低い唸り声とともに、抱えた聡史の体がひきつったようになって、何度もぴくぴくと跳ねた。
射精の認識はなかったが股間に温かさを感じ、お尻のほうに何かが流れるのがわかった。
おちんちんは抜けていた。


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