投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

山だし
【その他 官能小説】

山だしの最初へ 山だし 5 山だし 7 山だしの最後へ

山だし-6

「ああ、里見くん……」
サトエは股を開いた姿勢のまま胸を迫り上げて呻いた。どこにも触れていないのに、私に見せている、見られていることで体が感じている様子だった。うねる肉体。裂け目の内部が蠢き、液がとろり、溢れて垂れてきた。魅せられた私はいつか官能の泉に唇を押しつけていた。

「いいっ」
引き絞る声と同時に股間が波打ち、私は裂け目に吸いついた。
「うううっ……感じるっ」
生臭さが鼻腔をつく。生きているにおい。女のにおい。サトエのにおいであった。愛撫というものではない。やみくもに舐め回すだけだった。どこがどこやら考えている余裕などない。
 どういう効果をもたらしたものか、突然サトエが私の髪を掴んで悲鳴を上げた。
「ヒイ!だめ!」
驚いて顔を上げると、
「だめ!もっと!やめないで!」
ぐいっと腰を跳ねて押しつけてくる。
 ふたたび淫臭の中に突入した。
「むうう!……だめ……イク!」
その瞬間の反動は凄まじかった。私は顔を挟まれたまま何度も上下に揺さぶられた。

(イッタ……)のだ。……
密着した女体が痙攣している。これは衝撃であった。

 やがて脚の力が緩んでサトエの体はぐったりとなった。白い肌は桜色に染まり、なおも腹のあたりには不規則な痙攣が続いていた。

「ごめんね……感じちゃった……」
サトエは目を開けて陶然と微笑んだ。
「今度は里見くんの番だ」
 膝を折って迎えるサトエ。にじり寄っていく私の腕をやさしく取って、
「ゆっくりきて……」
先ほどあれだけ乱れたサトエが女神のように私を見上げている。焦る気持ちがひととき緩み、自然と先端がくぐっていく。
「そのまま……きて。あたしの娘と君の息子が初めて出会うんだよ」
重なって、はっきりとした圧力の内部に入っていった。
「あう……里見くん、すごいよ」
少し身を起こして結合を確かめた。根元まで呑み込まれている。
(入っている!)
セックスしてるんだ!
 挿入の感覚と昂奮が膨らんで下腹部が急激に充溢した。
「ああ……」
「いいよ、里見くん」
打ちつけた。摩擦が光のような快感を放射して一気に広がった。

 私たちは夜が白々と明ける頃まで絡み合った。ぐったりとしてなおも寄り添い、まさぐり合い、挙句の満ち足りた疲労感は永遠の眠りにつながるような安らかな至福の心地であった。


 日曜日に鎌倉を巡った。私たちは常に寄り添い、腕を組み、時に指を絡め、ふと離れると引き合って手を握った。人が少ない寺の境内で素早くキスした。彼女は慌てて周囲を見回し、笑いながら私を睨みつけた。
 帰りにホテルへ誘ったのはサトエの方である。紅く滲んだ目元と訴えるような瞳が意思を伝えてきた。女を知って間もない私が欲情するのは当然だが、サトエはそれ以上に燃え、求め、身を投げ出した。

 初めて『抜き身』を挿れたのはこの時だ。勢い余って、ではない。サトエが望んだのである。
「そのままきて。今日は大丈夫だから……」
一つになって『生』の一体感を確かめ合う。秘唇から洩れてくる粘液。それはまさに愛液であった。
 柔肉と溶け合う快感。サトエの動きも激しいだけではない。酔いしれながら、あたかも舞うごとく、律動を保ちつつ変化に富んだ上昇をみせるのだった。


山だしの最初へ 山だし 5 山だし 7 山だしの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前