Purple memory-6
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―――ブロロロロ・・・・
窓際に右肘をつき、ルールーとの邂逅の記憶を呼び起こしていた時、
彼が乗るタクシーがちょうど島のヨットハーバーが右手に見える交差点までやってきた。
赤信号でタクシーが暫しの停止を余儀なくされた時、ジェクトの視界に林立する大小・装飾の様々なヨットが飛び込んでくる。
その時、
―――ドクンッ・・・・・
( !! )
一際大きな胸の高鳴りの後、
ジェクトの脳裏に眠っていた“ある記憶”が呼び起こされる。
一瞬脳裏にその情景が鮮明な形でよぎった。
ベットの上で白い裸体のままで仰向けに横たわり上下に仰け反る女と、
その上下の動きに合わせて空中で乱舞する黒髪。
(・・・・・・・・)
それはジェクトの人生にとっての“始まり”。
文字通り“紫の美女”ルールーと彼の人生が絡み合った3年前の夏の夜のことだった―――――