痴漢専用車両の真実-4
「バッ…」
まさか助けようとした理紗から、こんな言葉が返ってくるとは思わなかった悦子は絶句した。
「お前らが、あたしに変な事を頼まなければ、こんなことにはならなかったのよ!昔から人を見下しやがって、お前らも早く犯されて地獄に堕ちろ!」
「ははは、理紗、よく言ったな。約束通り解放してやろうか?」
その言葉に理紗の目がようやく輝いた。しかし、次に続いた浩司の言葉が理紗の心を再び絶望に導く。
「そんな簡単にいく訳ないだろ。お前もオレが捕まった時に笑ってたそうじゃないか」
「ち、違います違います。誤解です!あいつらに言われて無理にやらされたんです」
理紗が必死に訴えるが、それが浩司にさらなる怒りを呼んだ。
「お前の腐った心の中を見える人が居るのを忘れたのか?ああ?お前は恵里香の提案を楽しんで受けたそうじゃないか!」
理紗はハッとして自分の失敗に気づいた。今はとにかく嵐が去るまで謝り続けなければならないのだ。
「反省の色がないな。この前のようにみんなに可愛がって貰おうか!」
傲慢母娘を誘いだせば許してくれると言う約束はあっさりと反故にされた。理紗の脳裏に前回この車両で2十数人の男に犯されたことが甦えり、その目が絶望に沈んでいった。
後は時間が経つのをただ祈るだけだった。幸いに電車には終点があるからそれまでの我慢だった。
浩司は四つん這いにされた理紗の後ろに廻り、理紗の股間にイキリ勃っモノが突き立てた。
「いやああああああああ」
恐怖の目でそのやり取りを見ていた母娘に、マスターが静かに声を掛けた。
「【痴漢専用車両】へようこそ」
母娘はようやく自分達を陥れるために、この車両全体が用意されたのだということに気がついた。
マスターの手が驚く恵里香のスカートの中に伸びる。マスターはそのまま遠慮もなく恵里香の下着に手を入れると、敏感な部分を擦りだした。
それは前回優子に対して行った行為とは違い、女に対する気遣いや加減の一切ないものだった。
「い、痛い!や、やめて!」
恵里香が身を捩って逃れようとするのを、マスターが力任せに抱きとめて動きを制した。
「どうしたんですか?貴女はこれを望んでこの車両に乗ったんでしょ」
恵里香の両手を掴み、顔を自分に無理矢理向けさせてマスターが冷たい目線で聞いた。
「ち、違う…」
「ウソはいけませんね。貴女は痴漢をされに来たはずだ。それに貴女の友だちの言ったこと、思い当たることがあるでしょ」
「し、知らないわ、理紗が何を言ったのか知らない。大体あんな子、友だちでも何でもないし」
恵里香は自分に矛先が向かないようにしらばっくれた。
「忘れたのなら、私が思いださせてあげましょう。まず、貴女は子供の家庭教師と深い仲になって、浩司さんと別れたくなったみたいですね。それを母親に相談したら、母親は二つ返事で別れることを同意した。そうですね、悦子さん」
マスターは恵里香に向けていた汚物を見るような視線を悦子に向けて確認した。
「し、知らない…」
悦子も娘と同様にしらばっくれた。