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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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痴漢専用車両の真実-5

「知らないことないでしょ。貴女も思い出さないといけないようだ。婿養子に迎えた浩司さんを副社長の座に付けたまでは良かった。優秀な浩司さんに任せていたら、貴女が会長を勤める不動産会社、スーパー、飲食店、ゼネコンのグループももっと発展したでしょうに」

「何にも知りもしないで何を言ってるのよ!何が優秀よ!こいつは婿養子の分際で会長のあたしに向かってイチイチ指図をしてきたのよ」

「役員が会社のために発言するのは当たり前でしょ。曲がりなりにも法人格を持った会社ですよ。会社の私物化を止めるのは当然のことでしょう」

「何を言ってるのよ!あの会社も関連会社もあたしたち但馬家の物なんですからね。外から入った婿養子ごときにとやかく言われる筋合いはないわよ」

悦子はこめかみに青筋を立てながら喚いた。しかしマスターは知り得た事実を淡々と語り続ける。

「家庭教師という新しいおもちゃを見つけた儘で飽き性の娘は夫が邪魔になり、母親も母親で会社の私物化の諫言をする婿養子が邪魔になった。それで利害が一致する母娘は、浩司さんを犯罪者に仕立て上げて手っとり早く彼の排除する方法を思いついた」

「し、知らない」

それでもしらばっくれる悦子にマスターは続けた。

「これなら慰謝料も退職金も払わなくて済むし、気兼ねなく離婚ができる。それよりもプライドの高い悦子さんにとっては、憎らしい浩司さんに仕返しが出来るし一石二鳥だ。その方法を思いついた貴女方は、当時浩司さんと面識の無かった理紗さんに、痴漢の冤罪を被せるように頼んだ。そうですね」

「知りません。どこにそんな証拠があるの?証拠を見せなさいよ」

「理紗さんが全部話してくれましたよ」

「そんなの知らないわ。あの子はあたしたちを妬んで陥れようとしているだけよ」

悦子はあくまでもしらを切り通すつもりだった。

「じゃあ、貴女の声を証拠としましょうか?さっさと認めたらよかったのに」

マスターは楽しそうに言うと、スマートホンを取り出して、何かの会話の録音記録を流しだした。




――そうそう、これで離婚成立よ。婿養子の分際で色々と口を出した罰が当たったってことよ――

――あの帳簿と口座が見られたのがまずかったですね。まさか会長室の机を覗くとは思いませんでしたよ――



くぐもって聞こえる声に、悦子は初め自分の声だとは気づかなかった。

しかし、聞いている内にその内容に心当たりがあった悦子の目は驚きに見開かれていった。

それはつい最近、自分と常務で交わした電話のやり取りだったと気づいたのだ。

その話の内容の詳細を思い出した悦子の血の気が一気に引いていく。この後の事は聞かれては拙い。特に最後の会話を娘に聞かす訳にはいかなかった。

「と、盗聴…。どうしてこんなものがあるのよ!」

悦子は鬼気迫る形相で、マスターの持つスマートホンを奪おうとしたが、周りを囲むプレイヤー達にあっさりと腕を取られてそのまま首を固められた。

「浩司さんを懲戒解雇した時にちゃんと鍵を返してもらわないとダメですよ。えっ?返してもらった。甘いですねえ。鍵を全部取り替えないと。なんと言っても人生を棒に振った人間はなんでも有りなんですから、スペアキーくらい持ってると考えなきゃ」

マスターがにこやかに微笑みながら、録音した音声を一旦再生中止し、悦子の疑問に答えて種を明かした。

「セ、セキュリティーは…」

「そっちの方こそ今の時代は何とでもなりますよ」

ハイテクのことに関しては無知の悦子だったが、今はそれに感心している場合じゃない。

「それを貸しなさい。流すとと大変な事になる、早く貸しなさい」

プレイヤーに首を固められながらも悦子は、マスターのスマートホンに手を伸ばそうと執拗に足掻いた。

しかし、その手はマスターには届かない。

「わ、わかったわ、み、認めるから、流さないで」

悦子は録音内容を暴露されることより、自分のやったことを認める方を選択した。

「残念〜〜〜、ちょっと遅かったですね。でもせっかく楽しい録音内容なのに、ぎゃあぎゃあと煩くては聞こえません。どなたか申し訳ないですが雑音の素を静かにさせて下さい」

マスターの言葉にプレイヤー達が直ぐに対応した。床に落ちていた理紗のパンティーとブラジャーを丸めこんで、首を固められながら喚いている悦子の口に突っ込んだ。

「むうううう、むううう」

悦子は他人の下着を口に入れた屈辱と、息苦しさの余りに涙が流れてきた。

「やっと静かになりましたね。じゃあ、続きを聞きましょうか」

マスターは動けなくなった悦子に見えるように、ワザと悦子の目の前で再生ボタンをゆっくりと押した。


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