第二部-2
70歳近いオヤジの性欲の強さにおぞましさを感じる。
「棺おけが近くなると若い子が欲しくなって。
こんどガ−ルフレンドを紹介するよ」
玉袋をぺろぺろと舐める。
そこが汗と玉のような唾液で光ってくる。
「うまい、もんだ。旦那の躾がいいのかな」
「こちにきなさい」
顔を持たれ舌を入れられる。
煙草のヤニの苦さが伝わってくる。
黒田は、静子の口内の甘さに酔ってしまう。
静子のせつなそうな吐息が黒田の精感を高いめる。
発射は、早そうだ。
静子が丸みのある顔を太い足の間に入れる。
お口で雁首を包むと、ネバネバした精液を感じる。
しなやかな指で玉袋を撫でてやる。
早く追い込みたい。
はしたないと思いながらもレストランで男の視線を離さないヒップを
揺す。
「静ちゃんも感じてるのか。
好いケツしてるな。」
黒田のだみ声が聞こえる。
「でるぞ、でるぞ」
胴身が太くなり、静子の清潔なお口を濃い精子が勢いよく汚す。
「男の精子は、美容にいいんだ。飲みなさい、飲みなさい」
しばらく待つと静子が口元を覆いながら、赤い顔をあげる。
黒田は、頬に涙が見えるのがうれしかった。
ソファ−に引き上げると、デ−プキッスへ。
美女の口のなかには、黒田の精子の青臭い臭いが残っていた。
「ワシのは、若い者より濃いだろ」
黒田が自慢げに言う。
静子は、真っ赤になることしかできない。
黒田は、ムッチリした静子の体内に自分の精子が染む込むのがうれしか
った。
征服感に酔う。
数日後の夜。
進は、古いアパ−トの自室で録音テ−プを聞いていた。
黒田の浪花節声がばっちり入っている。
これなら使える。
静子を気に入ったみたいだ。
今週は、舘山寺温泉に連れて行くようだ。録音をさせよう。
今年の5月は気温が高めに推移していた。
外に遊びに行くには、最適な気候の日が続いていった。
週末になると浜名湖を一望できる温泉街にも年寄りの団体や若いカップル
が繰り出していった。
松原旅館は、温泉街の奥の高台にある。
地理的にはよくないが、各部屋から湖が観えるため、その景色を目当ての
老年の夫婦連れが多かった。
先代主人の堅実な経営で松原館は、老舗旅館として県内でも有名だった。
しかし二代目の息子は、規模の拡張に走った。
隣の山を崩して新館を建てたのだ。
団体客で大きく稼ごうと考えたのだ。
ボンクラな二代目には、時代の先を読む眼はなかった。
団体旅行は流行らなくなり、倒産寸前になり、男性天国のお色気旅館に
成り下がってしまった。
バブルが弾けった頃は、生き残りのためのお色気旅館が急増した。
女の子は、フイリッピン人がメインだ。
土地を売って大儲けをした農家のおじさんを相手にストリップをしたり売春
をしたりするのが仕事だ。
山道を黒塗りの高級車が旅館に向かって上がってくる。
黒田はご機嫌だった。
静子を横抱きにすると、ムチムチした柔らかさが伝わってくる。
静子は、今日も悩殺的なス−ッを着ている。
丸顔で日本人好みの綺麗な二重だ。
黒い瞳が不安気に揺れている。
「抱かれるのが怖いのか」
静子の丸みのある表情が頷く。
「売春なんて慣れじゃよ」
少女のように緊張している静子が可愛くなる。
黒髪を撫でるだけでは、我慢できない、肉厚な唇で、白い頬に何回も吸い
付く。
「先生、やめてください。お願い」
拒否しながらも男を求めるような甘い口調だ。
寿司はオオトロしか食べない、黒田の指はテカテカと脂ぎっている。
その指で白のインナ−の上から、静子の張りのある乳房を揉みしだく。
店でいつも悩ましく揺れている乳房だ。
せっかちな性格の黒田は、雪腿を触りながら、タイトのホックをはずしに
かかる。
「先生、やめてください。お願いです。
お部屋で頑張りますから」
静子が体をそらしながら言う。
黒田は、静子の泣きそうな表情を観ると仏心が起きたのか、抱きしめて優
しく唇を奪った。
黒塗りの車がエントランスに横付けされる。
黒田が大きな腹を揺らしながら車から降りる。
蝶ネクタイ姿の社長が出迎えってくれる。
黒田は、権威を重んじる昔ながらの政治家だ。
ハイレグのバニ−ガ−ル姿のフィリッピン娘がつぎつぎと頭を下げる。
化粧は濃いが、顔つきは、幼い。
ヒップの形のおおくを露出させる年齢では、なさそうだ。
一番の美貌は、黒田のお気に入りのアイリ−ンだ。
アイリ−ンは、日本人では、表せない、長い美脚をもっている。
アイリ−ンは肌の色は、褐色だが、細面で日本の男に好まれそうな雰囲
気だ。
黒田と抱き合ったあと静子にもキッスの雨を降らしてくる。
「黒田先生は、いつも綺麗な方をお連れで」
蝶ネクタイの社長がうやうやしく言う。
「この子は、東京でAV女優も演っているんだ」
アイリ−ンに抱かれながら静子が真っ赤になる。
この時代がAVの創成期だ。
3階の特別室に案内される。
部屋も広く、バルコニ−のようになっている、大きなガラスからは、湖が
一望できる。
床の間があり表装の立派な掛け軸が飾られている。
喧騒のない静かな空間だ。
酒好きの黒田のために熱燗が何本も用意されている。
黒田はご機嫌だ。
アイリ−ンを抱きしめると口移しで酒を飲ませてやる。
「昨日は、ストリップの舞台に立ったのか」
「はい」
スタイルは、抜群だが顔は、幼い雰囲気だ。