投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

クラスメイトはスナイパー
【コメディ その他小説】

クラスメイトはスナイパーの最初へ クラスメイトはスナイパー 5 クラスメイトはスナイパー 7 クラスメイトはスナイパーの最後へ

クラスメイトはスナイパー〜鳥カゴの鳥〜-4

「母さん母さん母さん、かあさーんっ!」
階段をおりた先にある台所で、母さんは夕飯の準備をしていた。
息を整える暇も惜しむ様に僕はアイツの危険性を告げる。
「あっ、あっ、アイツやばいよっ!絶対アイツ、どっかの組織から送りこまれてきた暗殺者だって!」
「なに言ってるの、三五?ねぇ、弾くん」
嫌な汗が僕の頬を伝う。
あれ、じゃあ先刻からひしひしと背中に伝わってくる言いようのない殺気を僕に向けているのは……。
恐る恐る母さんが優しげな笑顔を向ける背後に振り向いてみる。
「いや、さっきまで三五くん寝てたから……きっと悪い夢でも見たんですよ、おばさん」
そこにはシレっとした元の笑顔で母さんに話し掛ける烏丸の姿があった。
「なっ、なにが悪い夢だっ!」
「悪い夢……見たんだよ……ね」
僕の反論に対し、烏丸はこれでもかと言うくらい目を見開け、僕を凝視しながら見えない力で僕を圧倒した。
その圧力にダルマが転ぶかの如く委活された僕は、素直にこう答えた。
「はい……悪い夢みました」
「二人共、もう仲良くなったのね」
何も知らない母さんからの一言が今は深く胸に染みた。
……自室に戻った僕と烏丸。
猫かぶりが戻った烏丸は相変わらず無表情のまま、エアガン……もしくは本物のスナイパーをいじくり回している。
僕はその不気味とも言える烏丸の行動を部屋の片隅から眺めていた。
落ち着け僕。
まずは、頭の中を整理しよう。
まず、もう三年なのにうちの学校に転校生がやってきた。
まぁ、ここまでは許せるだろう……いや許そう。
次にその転校生は、何の因果か陰謀かは知らんが僕の家に転がりこんできた。
これも百歩譲って許そうじゃないか。
しかし、そいつはリュックからスナイパーライフルを取り出し、それを触った僕を刃物で殺害しようとした……。
……良しっ!


クラスメイトはスナイパーの最初へ クラスメイトはスナイパー 5 クラスメイトはスナイパー 7 クラスメイトはスナイパーの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前