異常な体験の翌日に揺れる優子-2
『優子、別れるってどう言うことだよ』
「ごめんなさい、メールしたとおりです」
『オレの態度が悪かったなら謝るよ。別れるなんて言わないでくれよ』
「ごめんなさい」
『ごめんなさいじゃないだろ。昨日も優子の好きなセックスしてやったのに、唐突すぎるだろ』
「セックスしてやった?それ本気で言ってるの?」
『本当のことだろ。気持ち良さそうに声を出してたじゃないか』
「て、てめえ…」
優子の声が怒りの余りにくぐもった。
『ん?どうした、思いだしてやりたくなったか』
「ふざけないで!アレのどこがセックスなのよ」
『ゆ、優子?』
「痛がってるのと、感じてるのとの区別がつかないのね」
「なんだって?いつもヒィヒィ言ってたじゃないか。今から来いよ。今日もヒィヒィ言わしてやるぞ」
「もういい、メールだけじゃなくて、気持ちの整理が付いたら、ちゃんと会って謝ろうと思ったけどもう止めました。貴方という人が充分わかりましたので、キッパリお別れいたします」
『本当に別れても後悔しないんだな?』
「ええ、今までありがとうございました」
『わかった。じゃあ、最後に一つだけ願いを聞いてくれないか』
「願い?一体何なの?」
『最後にもう一回だけエッチしようぜ』
「ふざけるな――――!ガキはセンズリでこいてろ!二度と掛けてくるな、バカヤロ―!」
優子はそう言って電話を切った。直ぐに電話が掛ってきたが優子は出なかった。何度も掛ってくるので着信拒否の措置を取り、少しだけすっきりした気持ちで大学を出た。
しかし、駅へと向かう途中に電話のやり取りが思い出されてしまい、再びこみ上げてきた怒りによって、優子に痴漢専用車両のことさえ忘れさせていた。
駅に着き、ムカムカした気持ちが充満したまま帰路の電車に乗ったはずが、座席に座った途端に怒りは雲消してしまった。昨晩のことが強烈に優子の脳裏に甦ってきたからだ。
今は膝を揃えて座っているシートに、昨日は下着を脱いでM字に足を開いて座っていた。
そのシートに手をついて後ろから見知らぬ男に犯された。
目の前に揺れる吊革につかまり、片足を抱え上げられて、立ったまま挿入されて体をのけ反らせていた。
目を泳がせた床で、騎乗位で前後に腰を動かしながら、頬張った見知らぬ男のモノから放たれた精子の苦い味が思い出された。
次々に脳裏を過ぎる卑猥な光景に、優子はスカートに染みを作っていないか心配するほど愛液が出ていることを自覚していた。
いつしか優子は鞄の下に隠した指を股間に這わせていた。
(あっ…イク…)
その想像と、電車の軽い揺れで優子は軽く絶頂を迎えていた。
「あら、優子ちゃん、今日は早かったのね。サークルはどうしたの?」
優子は祐治との逢瀬の時間をサークルと言って母親を誤魔化していた。
「ああアレね。辞めちゃったの。なんか自分と合わなかくてね(あんな最低な奴のモノなんて二度とゴメンだわ)」
「そうなの。まあ、せっかく大学入ったんだから、何か楽しめる物を見つけなさいね」
「うん、チョット気になるものが有るんだけど、踏ん切りがつかなくて」
「へえ、どんなやつ?」
「ううん、なんて言っていいか説明できないわ。強いて言えば鉄道関係かな」
「まあ、お人形が好きな優子ちゃんがねえ、何だか硬そうねえ」
「うん、自分でも驚いてる。でもまだ入るかわからないよ」
「まあ、どちらにしても、やるんなら中途半端はやめなさいね。しっかり頑張りなさい」
(やるんなら…)
今の優子にとっては、何も知らない母親の何気ない一言であってもセックスを連想してしまう。そして優子は下着の染みを更に大きく広げていくのだった。