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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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異常な体験の翌日に揺れる優子-1

『ケース2 各務陽子(29歳会社員)』

【異常な体験の翌日に揺れる優子】

優子の人生観を一変させた異常な空間での出来事。そこから自宅までの帰路は現実感に乏しく、まるで夢の中を歩いているようだった。

絶頂を体験し、優子の女体からは成熟を果たした艶っぽい雰囲気が出ていた。それを家人には覚られてはいけない。

ましてや、後始末の儘ならないまま下着を穿いたため、淫口からどんどん出てきくる精子の匂いは、誤魔化しが効かなそうだ。

帰宅後、優子は母親に帰宅の声を掛けただけで、日課である母との日常の会話を交わすことなく、そそくさと浴室に向かった。

肌に張り付いた下着を脱ぐと肉スジに当たる部分はべっとりと濡れていて、脱衣場に精子の匂いが立ち込めた。慌てた優子は下着を掴んだまま浴室に入った。

シャワー栓を捻り、下着のぬめりを洗い流そうとしたが、少し勿体無いような気がして、一旦浴室の縁に置いた。

精子の匂いが籠る狭い空間で、優子はシャワーを股間に当てながら、長い中指を淫口に淹れて女体の奥深くに留まる残滓を掻きだした。

精子の匂い、指先のぬめり、そして股間の刺激が優子の意識はあの車両に戻される。

優子は股間にシャワーを当てながら、さらなる刺激を求めて指の動きを早めていった。

「うっ、うう、うう、うっ」

あの車両の乗車によって自分自身の本質を知った優子。自慰行為に浸る今はそれをそのまま素直に受け入れている。

家人に聞かれないように、声を押し殺してする卑猥な行為で思い浮かべるのは、この1月間にほぼ毎日体を重ねた彼氏ではない。

「うっ、マ、マスター、うう、うう」

優子はつい数時間前まで見ず知らずだった者に想いを寄せた。

自分の本質を気づかせてくれた者の、優しげな表情が、優子を本質のままに自慰行為に没頭させていく。

昂った気持ちのまま浴室を出たが、乗車中から幾度も絶頂を迎えた優子の女体は、いくら若いと言っても保たなかった。

ベッドに入った途端、睡魔に襲われてぐっすりと眠りこむ優子だった。


一夜明けて興奮の冷めた優子は魔法が溶けたように冷静になっていた。

現れて間もない優子の本質は、朝の清々しさの中までは、その存在を主張するまでにはいたってはいなかったようだ。

昨日は異常な空間の中で、流されるままに異常な行為を受け入れてしまったが、今思うと絶対にあり得ないことだ思えてしまう。

(あたし、とんでもないことをしたんじゃ…)

優子は心を乱したまま、落ち着かない一日を過ごすことになった。

(まだ遅く無い)

マスターから聞いたサイトのことを忘れれば、今なら行きずりのセックスだったと割り切れる。レイプされたわけじゃないから、出会い頭に軽くぶつかった思えばいい。

しかし、優子の目覚めた本質が時々見え隠れを繰り返し、その都度優子の意識をその車両へと導いて行く。

優子は大学の講義の間中そのことの葛藤で、講義の内容は全く頭に入っては来なかった。

無意味な講義が終わると、いつものように祐治から誘いのメールが来た。

しかし、今日の優子は昨日までの日課だった祐治のアパートへは行くつもりは全く無かった。

それよりも、今まで体を重ねた相手が、自身の性欲のみを満たそうとする男だと知ったのだ。

優子は相手を思いやる気持ちの欠片もない祐治の身勝手さに、我慢が出来きなくなっていた。

(昨日の痴漢たちの方が、あたしを労わってくれていたわ)

今日一日、理性的な優子の心を乱した者たちが、本質の部分では優子の心を穏やかにもしていたのだった。

優子は思い切って、今まで我慢していたことを記し、それでも付き合ってもらった感謝の意を記した別れのメールを祐治に送った。

すると直ぐに電話が掛ってきた。


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