〈三匹の牝豚〉-26
甘ったれな妹が、頼れる姉に助けを求めていたのは知っている。
そして今も、心の中で姉を呼び続けているはずだ。
本来なら、悲しすぎる妹の渾身の叫びを聞かせたいところだが、専務はそれを善しとしなかった。
瑠璃子の口は、部下達の肉棒を喰わえて貰わねばならないからだ。
ゴム栓は引き抜かれ、コロコロと麻里子の足元まで転がっていく。
同じ空間に居ながら、一言の意思疎通も許さず、一目足りとも対面させるつもりも無い。
血の繋がった姉妹。だが、それがどうした?
麻里子も瑠璃子も、それぞれが一匹の家畜なのだ。
その血の繋がりは、互いに姦して楽しむ時の、一つの責め手でしかない。
文乃が美津紀を思うのと、麻里子が瑠璃子を思うのとでは、精神的なダメージは桁が違う。ただ、それだけの事なのだ。
『麻里子お姉さん……カメラの不調により、音声だけで“お楽しみ”下さい……クックック……』
「ふ、ふざけるなぁッ!!……く、クソッ……こんな……台なんかぁ!!!」
いくら力を込めようが、頑強なギロチン台を麻里子が破壊出来るはずがない。
ミシリとも鳴かず、麻里子を拘束したままだ。
そんな哀れな麻里子を尻目に、興奮状態の男達は早くも凶暴さを露わにし、人の心を失った鬼畜へと堕ちた。
ボロ布となったブルマを鬼畜達は掴み、瑠璃子を引き回しながら破り棄て、いよいよ怒髪天を衝いて攻撃に転じようと起き上がる瑠璃子を、リードを引いて引き倒した。
悲鳴とも怒声とも付かぬ叫びをあげ、床を転がる瑠璃子の足掻きを、麻里子は背中で聞いているしかない。
『なんだ、その目は?ケツ穴も舐める豚のクセによ?』
「うがあッ!!…げお…ッ!!」
『へへ……豚らしく床に這い蹲ってろ!』
「る…瑠璃子おぉッ!!嫌あぁぁ!!」
ベタンと床に倒れる音と、息を詰まらせた悲鳴が部屋中に響く。
麻里子の脳内に、怯えながらも立ち向かい、そして暴力に踏みにじられる瑠璃子の姿が再生されていた。
そしてそれは、殆ど現実の物と変わらなかった。
「ハアッハアッ…あうぅッ!!…ハアッ……」
息を切らせ、瑠璃子は必死に抵抗し、鬼畜達の壁を越えて麻里子の元に向かおうとしていた。
伸ばせぬ脚では四つん這いになるしかなく、その尻は囲む鬼畜達に蹴られ、それでも倒れないと見るや、頭髪を掴まれてひっくり返された。
いや、その前にリードを掴まれてしまっているのだから、瑠璃子の歩みはもう絶望なのだ。
「あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」
(ッ!!!)
ひっくり返った瑠璃子に、鬼畜達は次々と伸し掛かり、完璧と呼べる女体に喰いついていった。
手も脚も頭髪も掴まれた瑠璃子に、もう抗う手立ては無い。