第3話-1
「海だー!」
今日のマラニックは湘南です。
「嬉しそうねぇ。久しぶりなの?」
「はい!海ってあまりこないです」
茅ヶ崎駅から海に出て、海沿いのサイクリングロードを江ノ島に向かいます。
「はー、潮の香りが、いーですね」
「菜々の笑顔はキューピーちゃんみたいね。私を幸せな気持ちにしてくれる」
「あれ?おだんご頭は、真理乃…さん?」
後ろから声を掛けられます。
「やだ!ナオさんじゃないの!どうしてぇ!」
「私たちも走ってきたんです」
お供の、自転車の女の子たちを、二人従えています。
先日、近所の川の土手上ですれ違いました。
「えーっと…まさか、自宅から?」
「はい」
「えーっ!だって自宅からって…50キロ以上来てるんじゃないの?」
「ナオさんが脚を止めないように、私たちがサポートするんです。
コンビニや自販機に先回りしたり、道がわかりにくいところを先に確認するんです。
ナオさんずーっと走っていられるから」
年上のほうのチビ子さんが説明します。頭の良さそうな子です。
「優秀な伴走のおかげで、トイレと信号待ち以外は止まってないです。あは」
「はぁ」
「じゃあ、先にいきますねー。あと10キロでシラス丼よ!」
「「おーっ!」」
「すごい…」
「あれじゃ、一緒に走れないわ…」
「?」
右手に砂浜を見ながら江ノ島を目指します。
サーファーがたくさんいて、私たちの町とは雰囲気がまるで違います。
水族館の横を通ります。海の家で楽しそうにお酒を飲んでいる人たちがいます。
真理乃さんと、お話をして、オヤツを食べて、二人でたくさん笑います。
弁天橋を渡ると、江ノ島です。
海のものを食べさせてくれるお店が賑わっています。
島の、一番奥の防波堤でゴールです。
波がうねって、打ち寄せています。
「着きましたね」
「風が少し強いね」
私たちは身を寄せ合います。
「私たちもシラス丼にしようよ。お腹へっちゃったよ」
天然温泉があるので寄ります。
「…菜々が欲しい」
「ちょ、おうちまで我慢できませんか?」
「今の菜々が欲しい」
私はちょうど全部脱いだところです。
たまたま、私たちの他に人はいません。
「…なるべく早く済ませてくださいね」
「うん」
真理乃さんは、私の胸のあいだを舐めて、頭を抱き寄せて、髪に顔を埋めます。
「はぁ。菜々は海のにおい」
真理乃さんはひざまずいて、唇を私の性器に近づけます。
「あっ、ダメ、ダメ、立って。おうちに帰ってから、ね、ね」
「菜々、かわいい菜々。菜々の味が欲しい」
「きゃっ!!」
女の子が、私たちの横を走り抜けて、飛び出していきます。
「びっくりした!誰もいなかったのに。どこに隠れていたのかしら?」
「いまの子、ナオさんと一緒にいた子に似てなかったですか?」
「・・・」
「どうしたんですか、真理乃さん?」
「ナオさんのパートナーって、まさかあの子たちじゃないでしょうね…」
「?」
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「あれ?美さきちゃん、おフロ屋さんから飛び出してきましたよ?」
相当にあせった様子で、ナオさんばりに猛ダッシュしてきます。
「どうだった?美さき」
「おだんごのお姉さんのほうが…胸をなめてた…」
「キャッ!!」
「ね、あーいう素敵なお姉さんは結構えっちなのよ」
「色白のお姉さんは…ツルツルだった…」
「ええっ!!」
「スゥゴゥイ!!でかしたわ!美さき!
あんな育ちの良さげな女の子がって、想像するだけでドッキドキするわね!」
「あせって…うまくもどれなかった…」
「やだ…私、どうしよう…ジムで会うのに…。
美さき、あんたの能力、ホントに便利ねー。今度カメラもたせようかしら?」
「このひと…とんでもないオヤブンだ…」