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菜々と真理乃さん
【同性愛♀ 官能小説】

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第1話-1

「あんまりよそ見してると、ベルトから落ちちゃうよ」
「えっ?あっ、はい」
スポーツクラブのトレッドミルで走っていると、隣の女の人に声を掛けられます。
私より三つくらい年上の、ちょっと素敵な感じの人です。
おだんごヘアが似合っています。

二人で、向こうで走っている、背の高い手足の長い女性を見ます。
ベルトはとても速いのに、かるーく走っています。
「あの人キレイだよね。モデルさんみたいだよね。でも、走るのすっごい強いんだって。
100キロくらい平気で走っちゃうんだって」
二人とも速度を落として、話が出来るくらいにします。

「へぇーっ、若いのにすごいですね。私と同い年くらいですよね」
「あの人、ナオさんっていって、このクラブではちょっとした有名人だよ。
美人だし、頭もいいんだって。数学の勉強をしているらしいよ。
あなた、最近このクラブに入ったんだ?」
「はい、就職して落ち着いてきたので、身体を動かしたくて…」
「おー、いいね。走るのは楽しいよ。どう?終わったら焼き鳥でも食べに行こうよ」
「あ、はい。いいですね」

焼き鳥を食べて、お酒も少し飲んで、いい感じです。
「ねぇねぇ菜々、うちにおいでよー。せっかくラン友になったんだからさー。
もう少しお話しようよー」
「じゃあ、少しだけおじゃまします」

コンビニでお酒とおつまみを買って、真理乃さんのマンションでトークの続きです。
「マンション、広くていいですね。真理乃さんは稼いでるんですねぇ」
「あした土曜日でお休みなんでしょ?ランウェア買いに行くから付き合ってよぉ〜。
今夜泊まっていきなよぉ〜」
「じゃあ、お言葉に甘えます」

「おじゃましまーす」
真理乃さんが私の布団に滑り込んできます。下ろした髪が淑やかで色っぽいです。
真理乃さんは顔を寄せてきます。
「あっ、あのっ」
「んー、菜々は素直で性格良いし、私の好みだな。キスしていい?」
「えっ、あ、あの。私、女の人とそんな風になるなんて、考えてもなかったんで…」
「またぁ、ジムでずっとナオさんのこと見てたじゃない。私じゃダメなの?」
「いえっ、そんなっ。真理乃さんは素敵な女性です」
「まっ、ありがとう。嬉しいな」
真理乃さんは私のおでこに軽くキスします。
「抱き寄せてもいいのかしら?」
「・・・」
真理乃さんは私の顔を、包むように優しく胸に抱きます。
「どう?」
「…柔らかくて…あたたかいです」
「きもちいいでしょう?」
「…真理乃さんは優しくて…素敵です」
私は真理乃さんの背中に、躊躇いながら腕を廻します。
「うん、優しくするね」
真理乃さんは愛おしむようにペッティングしてくれました。


翌日は電車でスポーツショップに行きます。
「あっ!このチュニック、カワイイ!菜々は細身だから、こういうのにあうよ」
真理乃さんは自分のそっちのけで、私のを楽しそうにセレクトします。
真理乃さんはさりげなく、私の腕や腰に触れてきます。
悪い気はしません。それどころかなんだか、くすぐったい気持ちです。

「私、なるべく予定外の出費は避けたいので…」
「いいよ、私、買ったげる。私、菜々とかわいいの着て一緒に走りたい!」
真理乃さんは、真っ直ぐ私の目を見て言います。
「じゃあ、今夜は私の部屋に来てください。私が夕飯作りますから」
「いくいくー」

「真理乃さんとこのマンションと違って、フツーのアパートなんですけど」
「キレイにしてて、いい感じじゃない」
「駅に近いのに安いし、明るくていいんですよ」
玄関のドアを閉めていると、真理乃さんが後ろから、首筋にキスをしてきます。
「あっ、真理乃さん、シャワーを浴びないと…」
「菜々は、おひさまのにおい」
そう言って私の腰を抱き寄せます。

真理乃さんの腕に抱かれます。
自分の布団の中のせいか、とても安心していられます。
女性の素肌がしっとりと馴染みます。
「どう?初めての、女子とのデートは?」
「楽しかったです。なんだか、いとこのお姉さんが出来たみたいです」
真理乃さんは私の髪を、優しく指で梳いてくれます。
「菜々の髪、柔らかい」
「私は真理乃さんに甘えてもいいんですか?」
「ウエルカムよ」
「本当に私でいいんですか?私、なんにも持ってないですよ?」
「菜々のそういうところが好きなのよ。
ワケわかんないのばっかりで、菜々みたいな子はとても安心する。
きれい好きで、躾がいいのよね。
恋人はきれい好きな人がいいの。
でなきゃ、他人の身体にキスなんてしたくないもの」
「えっち…。私、フツーの人ですよ?」
「そこがいいのよ。私、ノーマルの子って好きだわ」
「そんなこと言って。実は私、嫉妬深いんですよ?」
「なお、いいわ」
真理乃さんは私の顔にキスをして、頬ずりしてきます。
「剥きたての卵みたい。たまごにめはな」

二人で夕飯を食べます。
「明日の日曜日は、マラニックに行こうよ。楽しいよ」
「マラニックってなんですか?」
「着替えを背負って、走って小旅行することよ。
速さとか全然関係なくて、景色を見ながらのんびり走るの」
「おもしろそうですね」
「私、一人でやってたから、菜々が一緒だと嬉しいな」


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