「それぞれの喜び、そして・・」-1
それから数ヶ月の月日が過ぎ、新しい年度を迎えていた。大学生になった達也は、香織の自宅から車でわずか20分ほどの距離のアパートで1人暮らしをしている。しかしこの2ヶ月ほど、香織は達也と1度も会っていない。
その理由は少し前にさかのぼる。4月になり香織が初めて達也のアパートを訪れた日の出来事だった。香織は達也の彼女になることを決心し、これから何度も訪れることになるであろう達也の部屋へと足を運んだ。しかし達也が用意していたものは、夫弘之の浮気現場を隠し撮りしたビデオだった。
それを見た香織が受けたショックは相当なものだった。そこに映し出されていた映像は、嫌がる若い女性に対し避妊具も着けずに無理やり膣内射精で果てる夫の姿だった。夫が浮気していたのは以前から知っていたので、浮気自体はそれほどショックではなく、まるでレイプでもしているかのように膣内射精をしていたことにショックを受けたのだ。画面に映っていた女はピルを常用している麻衣であり、嫌がっているのは演技だったのだが、画面を通して見ている香織はそのことを知る由もなかった。
達也が何故こんな映像を持っているのかも当然気になったが、深くは追求しなかった。達也がどう関わっているかは分からないが、夫がした行為は何がどうあっても変わらない事実だからである。
画面を消した達也が、「おじさんもナマでこんなに楽しんでいるんだから、俺たちもさ・・」と迫ってきた。達也と身体の関係になって以来、やはり妊娠だけは恐れていた香織は、安全日以外は避妊具を着けるよう達也にいつも求めていたのだった。それが彼女になる条件だった。
香織は迫ってきた達也を振り払い、すぐに達也の部屋をあとにした。達也がこの映像を自分に見せた理由はなんとなく分かった。若い達也は己の欲望を満たすために、避妊具など着けずにやはり自分と生で繋がりたいのだ。それからしばらくの間、達也から何度もメールや電話があったのだが、香織は避けるようにしていた。
そんな状態が2ヶ月ほど続いたある日の晩。香織はついに初めて達也のアパートで朝を迎えることになる。達也と会わなかったこの2ヶ月の間も、夫の浮気は収まるどころか、頻度が多くなっているようだった。表面上は幸せな家庭を保っていたが、夫との間に身体の関係は一度もなかった。そんな状況の中で、香織の心境は徐々に変化していき、ついに自分から達也の携帯に連絡を入れたのである。
その内容は、「夫が2泊3日の出張で不在だから、もし良かったら泊まりに来て」というものだった。2ヶ月ぶりに連絡を受けた達也が断るはずもなく、ついにその日を迎えた。
「もしもし、達也くん。うん・・大丈夫。来て・・」
その日の夜。娘を寝かしつけた香織は短い電話でそう伝えた少し後、深夜の自宅に達也を招き入れた。主人のいない自宅へと侵入した達也は、ゆっくりと香織に近づいていった。香織は相変わらず清楚な人妻という雰囲気を出しており、薄化粧をして待っていた。達也は、今からこの人妻と受精セックスができるかと思うと、思わず身震いしてしまった。
「ね、ねぇ、達也君。私、本当に怖いの・・。あなたと・・」
達也が香織の横に密着し、少し震えている香織の肩を優しく抱いた。その柔らかな感触と香織の身体から発散している女の匂いが達也の嗅覚を刺激し、激しく勃起させる。
「大丈夫だよ。妊娠だけは気をつけるから・・。だからおじさんのことなんか忘れて楽しもうよ・・」
達也が香織の肩を抱いたまま、普段は弘之が寝室にしている部屋へゆっくりと歩き出した。そこは夫婦が夜の営みを行っている聖域である。2人は部屋の前まで来ると、ゆっくりとノブを回し、無言のまま部屋に入った。
「香織さん、電気つけてもいいの？」
「部屋の電気はいや・・。このままでお願い・・」
「いいよ。じゃあ、ベッドの電気だけつけるね」
達也はベッドの電気だけをつけると、香織と共にベッドに腰掛けた。香織がじっと達也を見つめてくる。
「も、もう・・。あなたとこんな事になるなんて本当に思っていなかったのよ・・」
香織はそう言うと目を閉じ、達也と濃厚なキスを交わしていった。
それから20分後・・。ベッドに仰向けになった香織の股間に達也が顔を埋め、クリトリスを舌で丹念に愛撫していた。香織は下半身だけ裸にされ、上半身は服を着たままであった。
「香織さん、ちょっと待ってて」
達也は香織の股間から顔を離してベッドから降り、部屋の隅に置いてあった自分のカバンに手を伸ばした。
「た、達也君。どうしたの・・？」
快感を中断された香織が達也の様子を伺うと、達也が何かのビンを手に持って戻ってきた。
「これ、女の人が気持ち良くなるクリームなんだって。東京って何でも売ってるから便利だよね。変なアダルトショップで買ったんだけど、効果は確かみたいだよ。せっかくだし、今使ってもいいよね？」
達也はそう言うとビンのフタを開け、大量のクリームを指ですくった。
「ちょ、ちょっと待って、達也君。そんなのいやよ・・。い、今でも十分気持ちいいから。だから、ねぇ、待って」
予想していなかった達也の行動に戸惑う香織を無視して、達也は強引にクリームを塗りこんでいった。2本の指を使ってたっぷりと膣壁と子宮口に塗りこんだ後、余ったクリームはクリトリスに塗った。
「や、やめて達也君・・。い、いや・・」
「大丈夫だって。危ないもんじゃないし。これぐらいいいだろ？」
塗り終えた達也が満足そうな顔をして、香織の身体に覆いかぶさってきた。しばらく胸を揉みしだいた後、香織のブラを外した。達也がすぐさま生の乳首にしゃぶりつく。