個別指導は恋の味-3
「男の子でしょ?」
遥香が諭す。
「わたしだってすごく恥ずかしいんだから、きみも少しだけ背伸びしてみたら。ね?」
そう言って顔の角度を右に傾けながら、吐息のかかる距離まで迫って、博士を胸に抱き寄せた。
あっ、おれのメガネが──。
落下物が床に落ちる音がして、博士はしばらくのあいだそのままの姿勢で過ごした。
自分のほっぺを両側から押しつぶしているものが何なのか、考えただけでズボンの中のものが硬くなってくるのがわかる。
ヤバい、あそこが痛い──。
「右がいい?それとも左?」
遥香がささやく。
博士は胸から顔を上げて、どういう意味かと首をかしげる。
メガネがないので、遥香の表情を読むこともむずかしい。
「お姉さんのおっぱい、片方だけ見せてあげる」
確かにそう聞こえた。
博士は右のカップを見つめて、なぜだか正座をする。
まばたきしちゃダメだ。おれは今日1日だけ大人になるんだ──。
遥香がブラジャーのホックをはずして、肩からストラップを抜いていく。
胸の前でクロスさせている両手から力が抜けると、色柄物の下着がハラリと取れて、片方の乳房が露出した。
その中心で恥ずかしそうにしている乳首はどこよりもピンク色が濃く、フルーツポンチに乗っかったサクランボみたいにまるくて小さい。
目が点になるとは、まさにこういうことだろう。
「はい、これ」
遥香はメガネを拾い上げて、博士の耳にかけてあげる。
「おおっ!」
思わず声がひっくり返る博士。
目の前には、可愛いお姉さんの可愛いおっぱいがあるわけで、ボリュームとか色の分布とか、うっすらと浮き出た血管まで見え見えの丸見えだ。
博士がそこに手をかざすと、遥香はオーケーサインの微笑を返す。