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嘘つきは恋の始まり 
【女性向け 官能小説】

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-3


俺はぎりぎりに出社してそのまま朝一の会議に向かった。

今日の午前中に決定しなければならない案件がまとまらず
結局お昼直前までかかった。

もうここから仕事しても中途半端だ。
このまま社食に行くか。

「野口。今まで会議?」
あぁ。山田か。
「例の案件。上層部の意見ががまとまらねーんだよ」
「あ〜。あれか。それよりお前さ。昨日チコちゃん、泊った?」
「・・・・なんで?」
「すっっっっげー噂になってんぞ?」
「・・・・・・」
「チコちゃん同じ服で、しかも朝一緒に来ただろ?すっっっっげー噂になってんぞ?」
「2回言わなくても分かった」
「どーすんの?」
「どーすんの、じゃないの。思惑どおりなの。外堀から固めてんの」
「へ〜・・・策士じゃん。さすが経管のエース!」
「・・・・いやみ言うなよ」
「お前が外堀から埋めないと手に入らないなんてすごいね?チコちゃんお前に落ちないんだ?」

山田がくすくす笑う。
「でもさすがの野口もこれは知らないでしょ?」
「なんだよ?」
「桐生部長に連れられてチコちゃん第3会議室に入って行ったよ」
「は?」
「まずいんじゃないの?」

「お前!昨日も言ったけどな。大事なことは俺に先に言えよ!第3な!」
「おぅ。頑張ってこい!」

桐生さんは口が上手くて有名な営業の猛者だ。
あの穏やかな口調で相手を自分の懐に入れるのがうまい。

チコちゃんなんか簡単だよ。

くそ。
桐生部長が会社内で動くとは思わなかった。

俺はノックもしないで第3のドアを勢いよく開けた。









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