投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

嘘つきは恋の始まり 
【女性向け 官能小説】

嘘つきは恋の始まり の最初へ 嘘つきは恋の始まり  23 嘘つきは恋の始まり  25 嘘つきは恋の始まり の最後へ

-2


始業と共に20部の資料作りを始めた。
確かに総務が関わっているけれど、これって総務の仕事?なんて
ぶつくさ思いながら営業部の分厚い資料を作り終え
昨日のことがあるから出来れば行きたくない営業部に資料を持参した。

「昨日依頼されました資料できましたので、こちらに置きますね」

桐生さんが電話中だったのをこれ幸いに
営業部のカウンターに資料を置き、さっさと退散しようとしたのに・・・

「谷城さん。経管の野口主任と付き合ってるって本当ですか?」と

明らかに野口さん狙いの女子が声をかけてきた。
さすが営業!物おじしないなぁ。
こんな皆の前で普通聞く?

「あ・・・あの」

どう答えていいか分からない私に

「谷城さん。その資料の総務部の分野でちょっと他の資料と照らし合わせて欲しいんだ。
今から第3会議室に一緒に行ってくれないか?」

と桐生部長から助け船が出された。
でもこれって・・・助け船なの?
泥船じゃないでしょうね・・・・

「はい」

そんな返事とともに桐生さんと私は連れだって第3会議室に入った。
桐生さんは静かに話しだした。

「トモコ。経管の野口君とは?」
「・・・・」

昨日、違うって言ったよね?

「もし、野口君を少しでも良いと思ってるなら、俺と別れるか?」
「え・・・?」
「トモコだっていつまでも俺と付き合ってても先が見えないだろ?」

『先』なんか・・・・
付き合う時から見ない覚悟をしてたよ。
無理やり目をつぶってたよ。

だいたい・・・こんな大事な話、会議室でしたくないよ。桐生さん。

それとも、アフターファイブに私にくれる時間はないってこと?

「辞令が出たんだ。NYだ。先週の旅行中、同伴するかを妻と話しあった。
妻を連れて行く。トモコを連れて行くことは出来ない。どういうコトか分かるな?」


はっきりと言うことが桐生さんの最後の優しさだと思った。









嘘つきは恋の始まり の最初へ 嘘つきは恋の始まり  23 嘘つきは恋の始まり  25 嘘つきは恋の始まり の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前