]T 貞操の桜貝-2
・・・侵食・・・
2006年5月某日(雨)
千章は自宅マンションの一室にいた。
大型液晶テレビには、テレビ番組でも無ければ、DVD・BDソフト映像でも無い映像が流れている。
スピーカーから微かに聞こえるのは、電車車両の音と時折入る車掌のアナウンス。
薄暗い映像のほぼ中心には、濃紺の制服のスカートの中身が捉えられている。
電車の揺れに呼応して時折スラリと伸びた脚が動く度、その両脚の付け根にある少女の中心を包み隠す僅かな布切れが時に捩れ、露骨な線を描き薄布一枚隔てた向こう側を浮かび上がらせる。
千章は食い入るように画面を覗き込み品定めする。
「やはり良い、この少女を是非ともレイプしたい。今回はアレを使うので、美涼の時の様な配慮はいらない」
盗撮動画の被写体は、福井美涼に次ぐ二人目の標的磯崎恵利子である。
美涼の様に八頭身モデルを思わせる美少女では無いが、大きな瞳に長い黒髪と共通点もあり、小柄ではあるがバランスのとれたスタイルもしている。
胸も中々のボリュームで、盗撮した映像から見てもスカートの中の”持ち物”も申し分ない。
なにより千章がもっとも好む清楚な香りを少女は持ち合わせていた。
すでに同様のスカート内盗撮ビデオは、5日×2回分ストック出来ている。
先週分に比べ今週分は、スカート内に光が良くまわっていて明るくパンティーも良く捉えられている。
特に今観たモノは秀逸で、恵利子の中心が薄布越しに浮かび上がっている。
恵利子の内気な性格から言っても、これで十分反応してくるはずだ。
そう、あの時の※)石崎佑香の様に……
まずはこれで布石を打つ。
次の筋書きも出来ている。
ダメなら次を考えれば良い事だ。
どの道、美涼の時の様にはいかない。
磯崎恵利子攻略の足がかり・・・
それは恵利子の目線から見れば、些細な「非日常」から始まる事となる。
2006年5月15日 月曜日
通学電車から降り、駅の改札を経由して徒歩で登校する。
いつもと変わらない朝の風景。
教室に入り席に着いた恵利子は、鞄のサイドポケットに見覚えの無い茶封筒が差し込まれている事に気付く。
瞬間的に違和感を覚えると教室内で開封する事が躊躇われた。
その予感は的中していた。
帰宅後自室に入ってから開封すると・・・
中には1枚の便せんと5枚の写真が同封されていた。
写真は制服のスカートの中を盗撮したモノで、すぐにソレが自分のモノである事が理解できた。
丁度一週間分5種類の見覚えのある下着が写った写真。
正確に言えば写真と言うには画像は少々荒く、コピーした様な感じのモノであった。
画像の荒さの理由は、一緒に添えられていた文面からすぐに理解できた。
どうやら通学電車の車内で、知らぬ間にスカートの中を盗撮されていたようである。
その「証拠」がこの写真らしい。
文面には添えた写真はごく一部で、盗撮は動画でありそれを見ればスカートの中を盗撮されているのが恵利子である事が認識できると言う。
そして要求に応じなければ、この恥ずかしい動画をばら撒く趣旨の内容。
内気な恵利子は困惑を通り越して混乱していた。
高校に入学して間もない事もあり、まだ久しい友人もいない。
仮にいたとしても、相談する事を躊躇われる内容。
眠れぬまま翌朝を迎える。
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※)石崎佑香は、千章流行の中学時代の同級生。
詳しくは、「同級生 石崎佑香」をご参照下さい