魔法のズボン-3
数ヶ月もたたないけれど俺はしばらく満足してて、そのズボンも大事にしまっておいたんだ。
別に深い意味はないけれど夏祭りで出かけるときに、そのズボンを履いたのさ。
他のズボンは洗濯してまだ乾いてなかったということもあったのかな。
ぶらぶら夜店を見て歩きながら、浴衣姿の女の子たちの姿をまぶしい気持ちでそれとなく眺めていた。
俺は知ってるんだ。
この女の子達が綺麗に着飾るのは俺以外の人たちに見せる為なんだって。
決して俺に見せる積もりで綺麗にしてるんじゃないんだって。
それを俺がこうやって密かに見て楽しむのは反則というかルール違反のような気がするんだ。
昔からお祭りの女の子の浴衣姿を見るたびになんか悪いことしてるみたいに罪意識を感じるのはそのせいかなって。
お祭りの神社には臨時仮設トイレが幾つか設置されているけど、すごく混んでいるんだ。
特に婦人便所は列を作って並んでいる。
そんなとこに並んで待っていたら男だって漏れてしまうこともあるってことよ。
仕方がないから裏の笹薮の奥に入ってしようかな。
あたりに人がないのを確かめたし、さあ、出しちゃおう。
自然の笹薮の中で放尿すると気持ちが良いもんだ。
さてチャックを閉めて笹薮から出よう。
な……なんだ? 奥の方の笹薮から誰かが立ち上がった。女の子だよ。
それもまだローティーンの女の子だ。
そうかこの子もトイレが混んでいてここで用を足していたのか?
でも俺が来たのを知ってたんだから、もう少し隠れていれば良かったのに。
どうも気まずいからさっさと行こう。相手は子どもだし変な気が起きれば犯罪になるし。
「おじさん、行かないで。アリサなんでも言うこと聞くよ」
えっ、まさか。俺がチャック開けていたのを見たのか。それまずいだろう!
「おじさん、知ってるよ。アリサみたいな女の子とはめっこしたいんでしょう」
おじさんじゃない。お兄さんだ。まだ20才だ。
はめっこって……犯罪だろう。
「そうなの? 合意?をしてても犯罪なんだ。でも黙ってれば良いじゃない。
もうおじさん……おじさんじゃ変だから太郎さんにしようかな。
もうあたし太郎さんのオチンチン見ちゃったよ。おしっこするとこも。
だから恥ずかしがらなくても全然良いよ」
太郎じゃない。ハジメだ。
「知ってるよ。でも本名言っちゃ駄目じゃない。これから犯罪するんでしょう?」
やめろっ。あっ、ち……近づいて来た。うわっ、目茶目茶可愛い。
しかも裾まくったまま、薄いお毛毛見せてこっちに来る。いけねえ。感じて来た。
「あっ、太郎さん、もっこりして来たね。アリサそれだけ魅力あるんだ。
へぇぇ、フェラって何? 何何? 駄……駄目じゃない。
口にオチンチン入れたら、赤ちゃん産むとき口から生まれるよ」
生まれない、生まれないよ、アリサちゃん。
「だってギリシャ神話じゃ目とか耳からも子どもが生まれるって。しかも男の神様から」
男からは生まれません。女だけです。
「そうなんだぁ。アリサ顔はパパ似で体はママ似だから、頭はパパから生まれて体はママから生まれたんだと思った」
それじゃあ、バラバラ事件だろう! アリサちゃんは幾つだ? 性教育受けてないのかい?
「アリサ聞いてなかった。
だってミサキが授業中にアリサに話しかけてくるんだもん」
じゃあ、ミサキちゃんもちゃんと聞いてなかったんだ。
って、どうでも良い、そんなこと。浴衣の裾おろせよ、手で持ってないで。
「そうか太郎さん、自分で脱がせたいんだ。アリサ気がつかなかった」
思ってない。思ってない。もう戻りなさい。家族が心配してるぞ。
「お父さんも母さんも夜遅く帰って来るから、心配してないし。
お祭りはミサキと来たけどさっき別れたから、誰も待ってないよ。だから」
な……なんだ? 抱きついてきたのか。うわー、可愛い。って、駄目だろう。
アリサちゃん、駄目だよ、そんなことすると俺悪いことしたくなる。
ああ、オッパイもついてる。髪長いね。良い匂いだ。
うわー、俺何やってるんだ?
「太郎さん、悪いことしたいんでしょ」
あっ、目をつぶって上を向いた。口を尖らせてる。ううう……可愛い。
餌を待ってる雛鳥みたいだ。じゃあ、ちょっとだけ。チュッて。