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美しき姦婦たち
【その他 官能小説】

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聖なる淫水(2)-3

「先に洗ってあげる」
シャワーを止め、彩香はスポンジに石鹸をつけ、彼の背中を大きく上下に擦り始めた。
 ふと浮かんだのは真希子の顔である。
(こんなことを知ったら……)
二人きりのマンションで一緒に風呂に入っている。彼女は高校生である。誰がその必然を認めるだろう。だが、どうしようもないんだ。……

 思わず背筋を伸ばしたのは感触が変わったからだった。掌で擦りだしたのである。
「大きいね、背中」
手の動きはゆっくりと回転しながら肩から脇へと移動して、腰から尻の近くまで辿って背骨に沿ってさかのぼっていく。
 洗うというより、これはまるで愛撫だ。……
(なぜ?……)
と思った時、彩香の腕が彼の首に巻きついて柔らかな胸がぬるりと密着した。

「伯父さん……」
言葉とともに耳に熱い息が吹きかかった。
(彩香……)
ぞくっと震えがきた。あまりの事態に言葉が出ない。体が強張り、その硬直をほぐすように乳房の膨らみがまろやかに動く。
「伯父さん……」
「なに?……」
密着した彩香の体がくねくねと動き始めた。味わったことのない柔らかな感触が全身に波及していく。
 何とか対応をしなければならない。
「彩香、首が苦しいよ」
笑おうとして彩香の腕が喉にかかった。
「伯父さん……好き……」
「それは、嬉しいな。伯父さんも彩香が好きだよ」
笑いかたがぎこちないのは自分でもわかる。
 好き……。ごまかした言い方になってはいるが、今、それは伯父として姪を見つめる感情ではないことは明白である。彩香を『女』として受け止め、感じている。そしておそらく彩香も……。押しつけてくる乳房の動きには確かな作為がある。

 坂崎は絡んでいた彼女の腕をやさしく解くと、向き直って、それでも『伯父』を演じた。
「彩香、今度は伯父さんが洗ってあげるよ……」
「うん……」
彩香の目はうつろに揺れている。顔は上気して喘ぐように口を開けたまま彼を見つめた。
 泡の中に野イチゴのような乳首を見た時、
(ああ!)
心の深遠な部分で何かがぷつんと切れた。目には見えず音もしないのに心の奥に忍ばせて耐えていたもの。限界まで張り詰めていた抑制の牽引綱。
 愛しく想っていても愛であるはずがない。たった二日で、しかも十六歳の姪。それが彼の葛藤であった。だが、もう何も考える余裕はなくなった。彩香の顔は妖艶な女に見えた。

「彩香!俺は……」
膝立ちになると彩香も合わせて立ち、彼は小さな体を抱きすくめた。
「伯父さん!」
唇を押しつけて貪り、吸いつき、舐めた。
(もうどうでもいい……)
ピチピチの少女の肉体。石鹸のぬめりの中で彩香が身悶えして妖しい喘ぎが耳元に吹きかかる。坂崎のペニスは彩香のへその辺りをぬらぬらと左右にのたうつ。
「伯父さん、気持ちいい……」
「彩香……」
坂崎の手は尻をさすり、抱え、その膨らみと弾力を揉みあげ、丸みを何度も撫でまわし、太ももの内側を伝って指先で尻穴をこすった。
「ううっ」
反り返る彩香。胸を揉み、キスを繰り返す。
 彼は夢中になった。その狂乱は禁忌の意識を破った自棄的錯乱とでもたとえるしかない。

 彩香も性愛の境地に没入していた。唇を離して顔を見つめ合うといきなりペニスを握ってきた。
「伯父さん、抱いて……」
息が乱れている。
「彩香……」
小さな手に力がこめられ、ペニスは血流を増して弾き返した。
「ああ、彩香、可愛いよ、可愛いよ」
「伯父さん……ああ、いい……」
彩香の手が動き始めた。扱くというより、ペニスの全貌を確かめるように根元から先端へ、また生え際へと幹をたどった。
(経験があるのか?)
一物を握るという大胆な行為にふと思う。
「彩香が可愛いからこうなったんだよ」
「うん……うん……」
彩香は視線を落として自分が握っているモノを見て、肩で大きく息をした。

「洗ってくれるかい?」
ペニスを、である。彩香は黙って頷いた。
 両手で幹を包むようにそろそろと肉棒を擦り出す。擦ることよりもその形が気になるのか亀頭のエラを何度もなぞった。もどかしい動きがたまらない。
「ああ……いい……」
思わず吐息とともに言葉が洩れてしまう。
 上目遣いで見上げる彩香の目。とろんとしているのに瞳の奥には色香が輝いている。

「気持ちいい?」
彩香が半開きの口で言う。
「うん、気持ちいいよ。彩香は誰かの触ったことあるの?」
「ない……伯父さんが初めて」
「そう。……どう?」
「どうって……。なんか、硬くて、すごい……」
少し泣きそうな顔を見せた。
「ごめんね。変なこと訊いて」
「伯父さん……」
やや手に力が加わった。

「彩香のここも洗っちゃおう」
尻と前から秘泉の湧水地帯を指でなぞった。
「ああうう、伯父さん……」
彩香の割れ目だ。……
(感じている……)
 それからは互いの体を貪るように絡み合った。
 やがて高まりが熱く燃え立って、どちらからともなく手を取って立ち上がった。
「出ようか……」
陶酔に揺れる彩香。坂崎は片手で背中を支えたままもう一方の手でシャワーを取ると栓をひねった。
 泡が流されて肌の光沢が現れた。
「きれいだ……彩香」
「伯父さん……」
人肌がこれほど人を魅了するものか。艶やかさと若さが融合した美は表現しようはない。いくら考えてもその美しさを比喩する言葉は浮かばなかった。


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