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嘘つきは恋の始まり 
【女性向け 官能小説】

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-3


「チコちゃん、どんな仕事?」
「普通のOLですよ」
「ちいさ〜い会社の?」

くすくす笑いながら話を続ける野口さんは
会社でのイメージ通りの人で私の苦手な人種だ。

自分がモテるって自覚してる。

こんな人の彼女になったら
いつも浮気の心配してなきゃいけない。
私は普通の人と穏やかな恋愛をして穏やかな結婚生活を送りたい。

社内で結婚相手を見つけたくない私は
いつも友達がらみの合コンで探そうとするけど
今回は、そーゆー意味じゃはずれだな・・・

ゆりったら私の気持ち知ってるくせに。
私の会社知ってるくせに。

はずれの合コンをさっさと切りあげようと
いい感じにカップルになった他の二人をせかすように
お開きにした。


「じゃ。またね」
そんな言葉とともに「用があるの」とほのめかし
さっさと自分の分の紙幣をテーブルに置いて
席を立つ。

また、桐生さんを超える人に出会えなかった。
桐生さんに会いたい。

今日は金曜日の夜だから会えるわけないのに
わずかな望みとともにアドレスから彼を呼びだす。

いくつかのコールの後に無情に響く録音の声に
静かにため息を漏らした。

会いたいときに会えないのは百も承知。
ビールでも買って家で一人で飲み直そう。


「彼氏にお迎えを頼んだの?」





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