第四章-2
廊下で、裸になった。薄くて役に立たないと思っていた浴衣ですら、あんなに安心させてくれていたとは、思いもよらなかった。
真っ白で柔らかな曲線を描く身体。先端に淡いピンク色の突起のある、大きな胸。お尻はきゅっと上がり、その前側は、つるんとした小さな割れ目。
両手で身体を隠そうとすると、あやめに叱られる。
「隠さないで。さあ、そのまま散歩に参りましょう」
「はい…」
浴衣を廊下に脱ぎ散らかしたまま、あやめについて廊下を歩き出す。すぐに、露天風呂へ向かうであろう客とすれちがった。胸と、特に秘部をまじまじと見られ、俯く。
ロビーに着くと、そこでくつろぐ宿泊客がいた。見られながら玄関に向かわされる。
「そこの下駄を履いて、外に出てらして」
躊躇していると、「ほら」と背中を押される。よろめくように外に出るが、あやめはついてこない。
「そこで、しばらくおっぱいを揉んでみせてくださいな」
言われた通りに、胸を揉む。門からは離れていたはず、こんな時間に、人など来ないはず、と自分に言い聞かせながらぎこちなく揉み続けていると、あやめだけでなく、ロビーにいた客までもが見にきた。
「ん…」
つい、誘うように身体をくねらせてみると、少し興奮した。
「戻ってらして」
あやめに呼ばれ、戻りながらも胸への刺激はやめなかった。その様子をあやめは満足げに眺めると、今度は廊下を階段へと向かう。「お先にどうぞ」と言われた。
胸は揉み続けたまま、ゆっくりと、階段を上がる。秘部が擦れて、ぬち、と湿り気のある音がした。
「あ…音が…」
気付くと、わざと音をさせるように、お尻を振りながら、内股をこすり合わせて階段を昇る。
後ろをちらっと振り返ると、あやめが少し興奮したような目つきで覗き込んでいた。
紗夜は嬉しくなり、軽く足を開くと、片手を伸ばしてそっと触れた。
「あん…」
くちゅ、と音がする。そのまま、片手で胸を、片手で秘部をくちゅくちゅと弄りながら階段を上がる。
「んっ…ぁ…」
客室の前を歩くと、喘ぎ声が漏れ聞こえてくる。すると、その部屋の前で立ったまま大きく足を広げ、声を聞きながら自慰をした。
皆が部屋で味わっている行為を、自分は廊下で楽しんでいる。今にも誰かがそんな自分の変態行為を覗きにくるかもしれない。
「はぁん…あやめさぁん…もう、欲しいよぉ…」
堪らず、懇願した。