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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第16話-5

「うん、できあがり」
 葵を開脚状態にして、後ろから抱えるその格好…。
「せ、誠治さん、こ、これって……」
 それは、トイレに慣れない幼女を背中から“抱っこ”して、放尿させる時の格好そのものであった。
「こうやって“抱っこ”されると、なんだか、懐かしい気分になりませんか?」
「は、恥ずかしいだけですっ……!」
 戸惑いと、恥じらいを含んだ葵の声には、しかし、抵抗の色はそれほど無かった。
「ん、うっ……!」
 その身を捩じらせているのは、“抱っこ”をしている誠治への抗いではなく、今にも出そうになっている“尿意”を抑えるためである。
「で、でちゃいます……から……お、おしっこ、普通に、させてください……」
 なにしろ、トイレの手前で後ろから抱きしめられたとき、驚きのあまり少しだけ股間を滲ませてしまっていたのだ。もう、“出る寸前”なのは、間違いない。
「まあまあ、遠慮はいりませんから」
 なにしろここはトイレなのだ。“尿意”をそのまま開放しても、なんら影響は無い。…そのはずだった。
「あ、あのっ……蓋を、開けてないの…」
「あ」
 ただし、“洋式”である事が、誠治の誤算であった。しかも、最後に使用したのは葵だったので、きちんとその蓋は閉められていて、葵の好きな色柄のカバーが見えていた。
「これは、迂闊でした…」
 そのまま葵が“放尿”してしまったら、カバーを水浸しにして、汚してしまう。
「仕方が、ありません」
「あっ……」
 誠治は葵を抱えたまま、トイレを後にすると、洗面所に向かった。
「!」
 姿見に、誠治に“抱っこ”をされた格好で、下半身を顕にした状態の自分が見える。
「や、やだっ……!」
 さすがに恥ずかしさが募って、葵は、鏡の中にいる自分から目をそらした。
「………!」
 しかし不意に、何かを思い出したかのように、身体に小刻みな震えを起こし始めた。鏡の中で、パックリと開いた淫裂が何度もひくついているのは、そこから出ようとしているものを、我慢している証であった。
「せ、誠治、さん……こ、このままじゃ、ダメっ……!」
 懇願するように、恋人の名前を葵は呼ぶ。
 汚したおむつの後始末を何度もさせ、セックスの最中に垂れてしまった放屁の音を何度も聞かれても、尽きない恥じらいが彼女にはあって、“放尿する姿”を見たがっている恋人のことを許容しながら、それでも、簡単には全てを開放できなかった。
「お、お願いです……せめて、何か、容れ物に……!」
 洗面所で抱えられていることも、葵のリミッターになっていた。かなりの量が勢いよく出てしまいそうなので、このまま排尿してしまったら、目の前の鏡にそれを叩きつけてしまう。その鏡を見るたびに、今日のことを思い出してしまいそうで、葵はそれを、避けたかった。
「………」
 誠治が目ざとく見つけたのは、空になっているプラスチック製の屑箱だった。
「あっ……」
 不意に身体が深く沈んで、屑箱に秘裂の照準が定められる。
「こ、ここに……すれば、いいの……?」
 “尿意”に耐える葵の声に、それでも、淫靡な色合いが混ざっていたのは、この倒錯した状況に酔い始めている“しるし”であった。
「………!」
 ぶるぶるっ、と、葵の身体が震える。それは、生理現象の開放を先延ばしにする最後の抵抗であったかもしれないし、その抵抗を、自ら破るための反応であるかもしれなかった。
「あ、で、る……あ、あぁっ……!」
 葵が、艶かしい吐息を零した。それが、始まりを告げる合図となった。


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