記-16 メールのやり取りが一段落すると、無計画だった私は、することがなくなってしまった。 こんなことなら、小説の一つでも持参してくるべきだった。 電光掲示板に流れるニュースぐらいでは、間がもたないのである。 隣は隣で、すっかり自分の空間を満喫している様子だった。 私のような男が隣にいなければ、ほんとうはもっと、伸び伸びとくつろげたに違いない。 彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。