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仄か
【その他 官能小説】

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 デッキから戻った時から、ずっと気になっていたことがある。

 彼女のテーブルの上に、紙パックのジュースが置いてあるのだ。

 飲みかけなので、ストローがささったままになっている。

 私という男は、情けないことに、あらぬ妄想を描いてしまった。

 そのストローは、いつでも手のとどく位置にあって、隙さえあればシェアできてしまう状態なのだ。

 仮に自分が、手癖の悪い、卑しい男なら、妄想の範囲を逸脱した行動に出ていたことだろう。

 私なら大丈夫だ──自分にそう言い聞かせた。


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