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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第15話-29


“隼リーグ”後期日程・第1戦
【双葉大】|011|001|000|3|
【法泉大】|000|000|000|0|

「ゲームセット!!!」
 試合は、3対0で終了した。結果を見れば、双葉大学の完勝である。
 2回の表に、無安打で1得点を挙げた双葉大学は、3回の表には岡崎の安打と栄村の犠打で、二塁に走者を進め、雄太の適時打によって1点を奪い、そして、6回の表には、雄太の安打を足がかりにして、吉川の渋い当たりのヒットによって追加点を記録した。
 岡崎と大和が言うように、この試合は“左打者”の面々が大いに活躍した。“納豆打者”の結花と、“最強の最終打者”航は、能面の角度のある直球に最後までタイミングを合わせられず、粘りはしたものの、この日は無安打に終わっていたから、殊更その活躍が印象付けられた格好となった。
 無安打に終わった二人ではあるが、守備の面で大きく貢献をした。結花は、相手の4番・響の猛烈な打球を何度も好捕して、その出塁を許さなかったし、航も、本塁上での捕殺によって得点を防ぐ場面があった。
 双葉大学は、攻守において法泉印大学の勢いを上回り、それは試合の結果に繋がったといえる。
「……完敗です」
 響がそう言って項垂れるほど、この試合は双葉大学の強さが際立っていた。
「2回に取られた1点が、全てでした」
 四球から始まる出塁を足がかりに、無安打で1点を取ってきた双葉大学の地力は、相当のものであると響は今更ながらに感じていた。
「それに…」
 草薙大和の投球には、前期以上の気迫を感じた。それを受け止める蓬莱桜子もまた、以前に対戦した時とは比べ物にならないぐらいの、どこか静謐で落ち着きのあるオーラを醸し出していた。
「なにか、こう、“会話”を愉しんでいるような…」
 前の試合でも、相当に相性のあるバッテリーだと感じていたが、それを上回る琴瑟相和した雰囲気が二人にはあったのだ。
「………」
 響の言葉を聴きながら、監督の梧城寺 楓は、隼人と響が最後に組んだ、前の試合を思い出していた。それに似た空気を、相手バッテリーに感じていたのである。
「思いの強さ、か……」
 双葉大学に感じる、団結したチームとしての強さを生み出しているものの正体を、楓は何か思い当たるように呟いていた。


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