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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第15話-30


「幸先のいい、スタートだね」
「ああ」
 今回は、試合の終了と同時にそのまま法泉市を離れたので、“蓬莱亭”に帰り着いた頃には日没を迎えていた。
 そして、桜子の隣には、大和がいる。その手には大きなバッグが提げられていて、桜子の部屋に泊まるつもりなのは明白であった。もちろん、龍介と由梨には歓迎を受けていて、その影響か、大和も遠慮が大分なくなってきていた。
『なにもしないのは、悪いから…』
 と、せめてもの礼として、大和は“風呂掃除”をかってでていた。
 龍介や由梨は、“無用無用”と言ってくれたが、今回ばかりは大和もそれを譲るつもりは無く、桜子の部屋に荷物を置いてから、彼は“蓬莱亭”の居住スペースにある風呂場の掃除を始めていた。
「一緒にお風呂掃除するなんて、なんだか、新鮮な気分」
 風呂場には、桜子もいた。二人並ぶと手狭な空間に、背中合わせになっている。大和は今、浴槽を洗っているので、桜子は床を中心に、手にしたタワシを動かしていた。
「桜子、泡を流すから、シャワー取ってくれるかい?」
「うん。……きゃっ!」
 何をどう間違えたのか、桜子がシャワーヘッドを手にした瞬間、そこから湯が飛び出してきた。
「失敗しちゃった」
 それをまともに上半身に浴びてしまった桜子は、濡れた前髪を額に貼り付けて、舌を出しながら苦笑いをしていた。
「……大和?」
 差し出したシャワーヘッドを、なかなか受け取らない大和の視線は、自分の胸元に注がれている。
「あっ……」
 シャツを着ただけだったので、当然ながら、その真下にある大きなバストが、ピンク色の頭頂部も併せて、透けて見えていた。いわゆる、“ノーブラ”だったのだ。
「……エッチ」
 何度も見せて、揉まれているだけでなく、大和自身を挟みこんだこともあるというのに、透けている部分をこうやって凝視されると、恥ずかしさが出てくるのは、不思議である。
「いや、その……」
 それにしても、隠されている部分から垣間見える“エロス”は、どうしてこんなにも淫靡性が増すのであろうか…。
「その気に、なってる?」
「う……」
 風呂掃除のために、下はトランクス一丁となっている大和の腰の中央が、大きなテントを張り始めていた。垣間見た“エロス”によって、大和の体の中の官能が、反射的な反応を示したのだ。それを指して“男の業”と呼ぶ。
「ふふっ、しょうがないんだから」
 少年の悪戯を咎める、年上のお姉さんのような表情を桜子は作った。
「お風呂、いっしょに、はいっちゃおうか?」
 そして今度は、悪戯を始める直前の少女のような表情で、大和を誘いにかかる。“お風呂”だけでは済まないことを、その表情が表している。
「ま、まだ、お湯を張ってないけど……」
「だから、お湯を、張ってる間に、ね……」
 桜子の表情が、官能に揺さぶられた、大人の女の表情になっていた。それを見せられれば、大和としてはもう観念したように、頷くことしかできなかった。


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