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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第15話-22


 “隼リーグ”の後期日程が、いよいよ始まった。そこでまずは、前期日程の振り返りと、後期日程の確認をしてみようかと思う。


【前期】
法泉印大学  4勝1分  (勝ち点13)櫻○ 星○ 城○ 仁○ 双△
 仁仙大学   4勝1敗  (勝ち点12)星○ 双○ 櫻○ 法× 城○
 城南第二大学 1勝4敗  (勝ち点 3)双× 櫻× 法× 星○ 仁×
 櫻陽大学   2勝3敗  (勝ち点 6)法× 城○ 仁× 双× 星○ 
 星海大学   0勝5敗  (勝ち点 0)仁× 法× 双× 城× 櫻×
 双葉大学   3勝1敗1分(勝ち点10)城○ 仁× 星○ 櫻○ 法△

 上記のように、前期は法泉印大学が優勝を果たした。
 そして、“総合優勝”は、前期と後期の総勝ち点数で計算されるので、優勝圏内にあるチームは、

 法泉印大学
 仁仙大学
 双葉大学

 この3チームに絞られていると言えよう。
 だが、既述のように法泉印大学は、昨季の“総合優勝”と、今季の“前期優勝”において、絶大な原動力となっていた、“最強の左腕”・天狼院隼人が、前期日程の終了と同時に一身上の事情により引退をした。それでも強豪に変わりはないが、相当の戦力ダウンは否むことができないところである。
 “隼リーグ”創設当初から1部リーグに存在しているチームにおいて、唯一“総合優勝”がない仁仙大学にとっては、昨季以上に大きなチャンスである。前期の終盤こそは調子を落としたが、“隼リーグの至宝”である安原誠治も復帰しており、総合の勝ち点では2番手にあるが、戦力的には“総合優勝”の“大本命”であると言っていいだろう。ただし、唯一の“不安要素”は、絶対のエースが存在しないことで、“継投”のタイミングが鍵を握る。
 そんな中で、“ダークホース”というべき存在に躍り出たのが、双葉大学である。
 今年から昇格してきたチームでありながら、3位に位置を取る健闘を見せている。仁仙大学には苦杯を舐めたが、並み居る古豪を退け、しかも、法泉印大学とは引き分けに持ち込んだのは大きい。
 そして、双葉大学には何より、快投を繰り返して“最高の右腕”と称されるようになった、絶対のエース・草薙大和の存在がある。“東西交流試合”での、9者連続奪三振と、試合を決める本塁打などで評価を更に高めており、攻守に渡って双葉大学の“大黒柱”であることは言うまでもない。
 大和を含め、捕手・蓬莱桜子、二塁手・片瀬結花、中堅手・木戸航という“双葉の四天王”と、“東西交流試合”の先頭打者本塁打で周囲の度肝を抜き、守備でも“名手”の評を得る、遊撃手の岡崎衛とで構築する強固なセンターラインは、まるで大木の幹のように、チームの基盤を揺るぎないものにしており、昇格したばかりのチームとは思えないほどの、勢いを見せていた。
 完成されたチームでありながら、肝心なところで“脆さ”を見せ続けてきた仁仙大学よりも、勢いのある双葉大学を“本命”と推す関係者もいる。それぐらい、魅力のあるチームであるということだ。
 次いで、後期日程の確認をしてみよう。

【後期】
法泉印大学  双  仁  城  星  櫻
 仁仙大学   城  法  櫻  双  星
 城南第二大学 仁  星  法  櫻  双
 櫻陽大学   星  双  仁  城  法 
 星海大学   櫻  城  双  法  仁
 双葉大学   法  櫻  星  仁  城

 “隼リーグ”の後期日程は、前期がそのまま裏返った形になるので、法泉印大学と双葉大学は、初戦でいきなり火花を散らすことになる。
 天狼院隼人が引退したといっても、“小竜巻”の異名を持つ4番打者・梧城寺響や、“南米出身の最長選手”である能面(のーまん)を中心とした、多士済々の顔ぶれは健在であり、両者が始めから激突する今季の“隼リーグ”の後期日程は、初戦から早くもクライマックスを迎えているといって過言ではなかった…。


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