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デネブの館
【その他 官能小説】

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デネブの館-14

 月曜日。
 俺の懸念は当たらずに、アイはやはり館に戻ってきていた。
 彼女は帰りが夜中なので、俺が寝ている時に帰ってくるのだ。合鍵は、持たせてある。
 昨日の今日なので、バツが悪かったが、朝からアイは興奮気味に俺に話しかけてきた。

「テレビ局からの取材を受けたの」

 俺は少々驚いたが、どういう番組でどんな取材なのかよく分からなかった。
 聞けばよかったが、朝の忙しい時間帯で、俺は仕事に行かなければならない。
 たまたまテレビカメラの目に止まっただけのことだろう。
 どうせ大したことではないのだ。ほんの少しテレビに出たからどうだというのだ。
 俺は、よかったな、と適当にアイをあしらい出勤した。
 アイはもう少し話を聞いて欲しそうだったが、どうしようもない。
 それに、お前だって日曜日は俺を置いて出て行っただろう。
 お互い様だ。彼女とまともに話をすることは、次の日曜日になるだろう。
 そういえば、今日は占いをしてもらわなかったなと思った。
 どうでもいいことだったが、何故だかほんの少し気分が悪かった。

 今週は、結局アイに占いをしてもらわずに終わった。  
 俺の仕事が忙しく、それどころではなかったというのもあったが、アイがやや疲れ気味だったのだ。
 深夜帰宅する彼女は、俺の朝食を作る為にそのまま起きて、俺の出勤後に寝ることが多かったのだが、今週は朝まで耐えかねて寝ていることが多い。
 体調が悪いのかもしれないが、アイの機嫌は何故か妙に良かった。
 ただ相手をしてやる隙がない。
 俺はアイの機嫌の良さの意味も分からずに、今週は仕事に奔走した。
 日曜日、アイが起きているところを見るのは、久しぶりだという気がした。


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