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蜘蛛の巣
【その他 官能小説】

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蜘蛛の巣 U-4

彼らの動きに合わせて、私の躰自身も一緒にシンクロさせる。与えられる刺激、貰った刺激を全て感じたいから…。だって、欲しいものは手放しちゃいけないしね。
だから今は、この二人は…"私のモノ"。
「やぁッ!!……ふっ…んんんっ!!」
一回イッた躰は我慢を知らず、難なく次の極みに昇る。「やっ、あッ…もっ‥ダメぇ…」
「つッ…」
さっきイッてない優も私の圧縮する膣内で限界を迎えつつあるみたい。
「はッ…あッ…ああんッ!!イクッ!!」
気持ち良くてふらふらの意識の中で、私は快楽に溺れた。

何時間経っただろう…。あの後また交替して何回かヤッたんだけど…さっぱり時間がわかんない。何時間も経った気がするケド、本当はそこ何十分くらいなのかも…。
「お前も道連れだよ。」
私の寝ている優のベットの後ろで、優の声がした。部屋の中が優のセッターの濃い匂いで充満してる。
「意味わかんねぇよ」
情事後の兄弟の会話、後悔でもしてるのかしら。ドラマなんかよりよっぽど興味を引く。私はこのまま寝てる振りして聞くことにした。
「俺、来週から一人暮しすんのよ。大学の近くで」
優の大学はここから電車で1時間半の県外の医大だ。
「正確に言うと、するって交換条件を飲んだ。」
「誰と?」
刺々しく鷹が聞く。
「史恵チャン」
―!?
ママの名前だ。
私は少し動揺した。
「どうゆう意味かさっぱりわかんねんだけど。」
鷹と同じ気持ちの私も、改めて聞き耳を立てる。
「昨日、史恵チャンと親父に呼び出されたんだよ。みんなが寝た位の夜中に。俺と百合葉がラブホから出たのを史恵チャンに目撃されたみたいでな…、百合葉は誰にも振り向かないから手を出すなって言われたんだよ。ま、俺としちゃあ納得出来ないからその理由を教えろって言ったら俺が百合から離れることを"交換条件"になったわけ。」
…。
もう少しで、張り倒す寸前だった。けど、まだ話の途中…私は理性の全てをフル稼働させ、冷静を作った。
「それと俺がどう関係あるわけ?」
鷹はイライラしたように突っ掛かる。
「だから、道連れだよ。百合葉を本気で好きかって聞いたろ?本気で好きなのは俺も同じ。お前だけに良い思いさせたくないからな。お前にも出てってもらう。」
「なっ…!?」
優はサラリと言った。
「コレも条件の一つなんだよ。お前と百合葉が寝たのは知ってたからな。…来週辺り、交換留学生として無事カナダ出発だよ。……優秀生ってのは大変だなぁ‥鷹。」
交換留学…、二人の父親、忠近さんのコネに違いない。市が面接して交換留学生として諸外国にいける制度だけど、忠近さんなら役所員に顔が効く上に、学校でもトップクラスの成績の鷹なら文句なしで顔パス出来る。
「てめぇ…その話は断っただろうが!ハメたのかよ!?」
ガタンっとガラステーブルの音がした。鷹が優を掴んだんだと思う。
「だから教えてやるよ、お前にも…百合葉って女の本当の姿。」
―ドクンッドクンッ
心臓の音が痛いくらいに身体中に響いてる。
「百合葉が誰も好きにならないのはな、女に盗られたパパが大好きだからだよ。」
私は歯を強く、強く食い縛る。
「知ってるだろ?史恵チャンの元旦那は5年前女と逃げたっての。
逃げた女は、岡崎舞っつて旦那の職場の奴だったらしくて、百合葉も仲が良かったんだと。親しかったお姉さんに、色仕掛けで、これまた大好きなパパを盗られたらそりゃショックだよなぁ。
けどしばらくすると百合葉はふっきれたように明るくなったんだと。史恵チャンは安心してたらしいけど…そん時から簡単に身体を開いてることも知って、躍起になって問い詰めたら自分は"岡崎舞"になってパパを取り戻すって言ったそうだよ。」


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